――伊藤くんのような“自分が傷つくことを徹底的に回避する”生き方をどう思いますか?
岡田:僕は伊藤の「戦わない。だからリングになんて上がらない」というセリフに、そんな逃げ方もあるのかと驚きました。自分としては、なるべくそこで立っていられるように頑張ろうと思って生きてきたけど、無理してリングに上がらなくていいんだと。何だか伊藤から新しい考え方をもらった気がしました。
木村:私も「確かにな…」とは思いました。それはそれで一つの意見だし、それで伊藤くんは楽しく生きられているんだから、それ以上に何があるのかなと。とても現代的で、今に合っている言い方だと思います。でも、そんな伊藤くんの生き方に魅力を感じないし、面倒なので、あまり近寄りたくはないですね(笑)。
――この映画には莉桜を含め5人の女性たちが登場しますが、伊藤くんほどではないにしろ、みんなダメな人間ばかりですね。
岡田:そうなんです! 僕の役だけがクズだと思われてますけど、女性陣もほぼクズなんですよ。みんな社会に適合できていない人ばかりで。でも、クズとクズが話し合う感じが逆に面白いなと思っています。たぶん男性がこの映画を見たら、女性たちのクズな一面に衝撃を受けると思うし、女性が見たら「伊藤、最低!」と思われると思いますが、登場人物全員がクズというのもこの映画の魅力だと思います。
木村:それに全員が真剣なんですよね。その真剣さが滑稽で、逆に面白いと思います。全員がどこか抜けているし、真剣過ぎて笑うしかない、という感じも好きですね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)