カメラマンは出演者!異色の映画「季節の記憶(仮)」

2018/01/15 19:30 配信

映画

「季節の記憶(仮)」

実験的な手法を用いて撮影された映画「季節の記憶(仮)」が、1月20日(土)より東京・新宿K's cinemaで公開される。

本作は、出演者全員が不規則なリレー形式でカメラマンを務め、さらにカメラを扱う際にファインダーをのぞかないこと、カメラを撮影機材ではなく「モノ」という意識で扱うことをルールとして設定。脚本もなく、即興的にほぼワンテイクで撮影された。撮影自体は四季ごとに行われ、一度の撮影は30分ノーカット。「夏篇」「秋篇」「冬篇」「春篇」と季節がめぐる4章で構成されている。

監督は、過去にお笑い芸人や構成作家、写真家などとして活動してきた経歴を持ち、野心的かつ実験的な映像作品を発表する只石博紀。「写真をやっていてカメラに対して自覚的になれたことで、iPhoneなどの身近にあるビデオカメラで撮りながら本作のアイデアを思いつきました。誰もが簡単にできるけれど誰もやっていない手法なので、すぐ実践しようと制作しました。ものすごい数の人たちに本作を見てもらいたいですが、そもそも興行するつもりで制作したわけではないので、お客さん全員に届く作品ではないかもしれません。映画や映像が好きな人、作り手には少なからず面白く見てもらえるのではないかと思います」と只石は語る。

人間の生きているありふれた一時の美しさをとらえた、誰の視点からでもない映像を紡いだ本作は、「映画」を作っているのは誰なのかと考えさせられる映画だ。