同期で同い年、共に芸人の活動範囲を押し広げ活躍しながら、なぜかすれ違ってきた又吉直樹と西野亮廣。「別冊カドカワ 総力特集 又吉直樹」誌上で実現した二人の対談の模様を、お伝えする本企画の、最終回です。
西野 僕、絵本を書くって言った時に、結構バッシングがあったんですよ。なんで芸人なのに絵本書くんだって。ひな壇に出ないって決めた時にもバッシングがあった。その時に、学校だとか会社とかで、意思表明をしたら軽い村八分に遭ってる人たちがバッて集まってきたんです。それで、「この人たちを徹底的に応援しよう」って思った。絵本だろうと自分の活動だろうとこういった場のコメントだろうとビジネス書だろうと。ああいう「意思表明した結果、村八分に遭った人たち」を、徹底して応援するって決めた。だから、その人たちのことは常に考えているよ。
又吉 絵本にも、それは反映されてる。
西野 そうそうそうそう。「ゴミ人間」ね。
又吉 僕、最初は何も考えてなかったけど、『火花』を出した後の反響とか、「なるほどそう思うんや」って、読者が完全にパキッと見えてしまったんです。ほんなら、そういう人たちを楽しませたいな、とは思っちゃいますね。
西野 僕、ライブの集客が一番落ちたのって、『はねるのトびら』がゴールデンに上がった時なんですよ。そっから徹底して、その人たちを応援するっていうふうにしたら、わかりやすく集客は増えたんです。だからまあ、届いてるのかな。
又吉 西野くんの言ってるやつで言うと、自分が作ってるものと届けたいもの、今、ずれてんなとか思う時もやっぱりありますね。でも楽しいことが、自分の前にないと無理なんですよ。生きていく理由がない感じで。
たまに、それ考えると怖くなるんです。あの人とご飯行けるから、それを楽しみに頑張ろうとか思うんですけど、たまにもう一人の自分が「お前、あの人と飯食うの、ほんまそんなに楽しみか」とか聞こえてきて。それで深く考えんとこ、って。それか、すごい楽しいんだって言い聞かせて。次ライブできるから、すごい好きなことできるぞって、毎回励ましながらやってる。そういうのがなくなったら、取り上げられたら、ほんまやることがない。
西野 確かに楽しいもんね。
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