1月24日(水)夜10時からNHK BSプレミアムで放送される、兵庫発地域ドラマ「あったまるユートピア」の試写会が行われ、倉科カナ、堀春菜、アヤカ・ウィルソン、渡部豪太、主題歌を担当するシンガーソングライター・前野健太が出席した。
同作は志賀直哉が「城の崎にて」を執筆した城崎温泉を舞台に、「夢」や「居場所」を見失ってしまった女性たちの再生を描く物語。
鷹宮伊織を演じた倉科は「不思議な作品になりました。この作品のことを考えると喉が詰まるというか…。皆さんがどう感じられたのかが知りたいです」とあいさつ。
伊織は幼い頃に阪神・淡路大震災を経験したという設定だが、倉科は撮影に入る前、実際に被災した家族に話を聞く機会があったという。
「命って当たり前のものだけど、いつなくなるのか分からない。大切なことがかすんで見えなくなってしまっている。そんな重い現実と突然の幻想が入り乱れた作品で、命のきらめきが詰まっています。見た方の心に何か残ればと思います」と話した。
「相手の言葉を受けて、城崎の空気を吸って、現地の高校生と触れ合って。無理に役を作ろうとするのではなく、ただその場に居ようと思った」と話したのは、城崎温泉の旅館の娘の城殿蓮を演じた堀。
撮影前には実際に旅館で働く人や城崎に住む人たちを食事をしたそうで、演じているうち「自分が城崎の人じゃないことに悔しくなってきて…」と役に入り込んでいた様子だった。
世界中を旅する日々で居場所を見つけられないララを演じたアヤカ・ウィルソンは「私自身もカナダ人の父と日本人の母を持つので、居場所って1つじゃなくてもいいと思いました」と自身の経験を役に生かしたそう。
また「役を“作る”というよりは、人と触れることでにじみ出てくる気持ちを大切にしました」と語った。
勝岡遊人を演じた渡部は「ドラマというよりドキュメンタリーのようですね」と言い、「倉科さんが『今回引き算でお芝居をする』と話していて。それがドラマの中で生きていました」と作品の印象を話した。
主題歌を手掛けた前野は「命」をテーマに曲を作り上げたという。劇中にはかばん職人を目指す伊織や、実家が魚屋の遊人が登場するが「魚を殺して命をもらって、牛からバッグを作って…。それがテーマです。
魚側からしたらどんな気持ちなんだろう、そもそも命を差し出している感覚はあるのかな?という、どんどん生まれてくる“どうして”を考えて作りました」と曲作りの裏側を明かした。
同作は、城崎国際アートセンターとコラボレーションし、地元の高校生らが参加したダンスシーンも見どころとなっている。
ダンスについて、倉科は「ダンス向いてない!」と一言。一方で「高校生たちがまぶしくて…。ドラマ撮影してるのに全然物おじしなくて、あの頃は怖いものなんてなかったなと思いながら…」と高校生たちの迫力に感動したようだった。
ダンスシーンの撮影日は出演者全員の撮影終了日だったそうで、渡部は「踊っているみんなの姿を見てると泣けた」と話した。
その後、渡部は倉科が撮影中にミスをしたことを暴露。それを受け、倉科は「踊れなくていいの! 生きづらいこの世界を自分でユートピアにするには気持ちが大切!」と、作品の内容を絡めて弁解した。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)