――桔平のうそがバレる前、二人の関係は、由加利が主導権を握っていて、それを桔平が「うん、うん」と聞いている感じがしましたが、彼らの関係をどう思いますか?
長澤:これは嫌な女に通じるところでもあるんですけど、由加利は桔平が研究医であることも含め、彼のようなパートナーがいることに対して優越感を持っているんだと思うんですね。この人なら私に釣り合う、みたいなところもあって、何できっちゃんは由加利のことが好きなのかな? と不思議でした(笑)。
――では、長澤さん自身は由加利のような人とは一緒に暮らせない?
長澤:いや、多分、私はきっちゃんタイプの何も言わない人なので、逆に由加利のようにズバズバ言ってくれる人の方がいいかも。きっちゃんのような人と一緒にいたら、お互い何も言わないので“沈黙”みたいになってしまいそうで、何でこの人と一緒にいるんだろうと思ってしまうと思います(笑)。
高橋:僕も言われていた方が楽なので、桔平タイプだと思います。とはいえ、桔平もどこかで真実を言わないといけないタイミングが訪れていたと思うし、時間を重ねれば重ねるほど言いにくくなるのも分かるので、どうしたらいいのか分からなくなるのはあるのかもしれません。
――桔平は偽名を使っていたことが判明しますが、名前は自身のアイデンティティーを示すものであり、他者を認識する上でも重要なことだと思います。お二人は名前が及ぼす影響について、どのように感じていますか?
高橋:名前は器だと思います。名前によって縛られることもたくさんあると思うし、逆に名前がなくなってしまうと、他者との境界線がどんどん薄れていく気がします。例えば、僕は結婚生活を送ったことがないから分からないですが、結婚生活が長くなると、夫婦がお互いに名前で呼ばなくなるとよく言われるように、あえて境界線をあいまいにしていくのは不思議な現象だと思います。
長澤:私は人をあだ名で呼ぶのが好きなんですけど、それは自分にとってどういう人なのかを判断する材料でもあると思っていて。由加利が桔平をきっちゃんと呼ぶように、由加利にとってはきっちゃんはきっちゃんでしかないんですよね。そういう意味では、あだ名でその人のキャラクターが見えてくるので、あだ名をつけた方が、愛着がわくのかなと思いました。
――では最後に、お二人がついた人生最大のうそを教えてください。
長澤:そんな大それたものはないです(笑)。でも、周りの人に「あした、絶対に雨が降るから、長靴をはいたほうがいいよ」という、たわいないうそをついたりすることはあります。それがうそだと分かったら笑いに変わるし、それをうそととらえるか、ジョークととらえるかによりますけど、悪意のないうそならついてもいいんじゃないかと思います。
高橋:僕も天気に関するうそならついたことがある(笑)。けれど、うそはうそでも、つかざるを得ないうそってきっとあると思うし、それを許す、許さないも、相手との付き合い方で変わってくるんじゃないかと思います。
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