食い逃げを実際に目撃したのは、2015年夏のことです。レジで会計を待っていたそのお客さんは、店員が来ないのに業を煮やし、店を出ていきました。
「ワンオペレーションVS食い逃げ犯!?」。向かいの席から一部始終を見ていた私は興奮していました。出入り口のピンポンピンポンというセンサー音が試合開始を告げるゴングの音に聞こえたほどです。
しかし、やってきた店員に慌てる様子はありません。「またか」「しょうがない」みたいな顔で戻っていきました。期待していたようなことは何も起こらず、がっかり…。
調べてみたら“食い逃げ犯をなかったことにしている”のは、あのお店に限ったことではなく、世の中全体だということを知りました。理由は、効率や採算、リスク管理などいろいろです。
根があまのじゃくな私は、こう思いました。「だったら、みんなで食い逃げを追いかける話を作ってやる」。それがこの「食い逃げキラー」です。
余談ですが、ここに至るまで私自身、何度か諦めて逃げ出しかけました。無事、こうしてドラマ化を果たすことができたのは、厳しくも温かく追いかけてくださった周囲の皆さんのおかげです。重ね重ねありがとうございます。
この物語が、窮屈な日常に笑いと興奮をもたらし、閉塞感に少しでも風穴を空けてくれることを願っています。
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