手芸家・洋輔が語る「手作り」への情熱

ハンドメイドの喜びを分かりやすく伝える番組「すてきにハンドメイド」(毎週木曜夜9:30-9:54、NHK Eテレ)で、東尾理子と共にMCを務める洋輔。

俳優・勝野洋とキャシー中島を両親に持つだけでなく、自身も俳優やタレントと活動するかたわらバッグブランド「KATSUNO 鞄」を立ち上げるなど、デザイナー・手芸家としてマルチに活躍している。

「漁師の方々に網の結び方を教わってみたい」「若い人がもっと手芸を楽しめるようファッショナブルなものにしていきたい」。手芸家として大きな野望を持つ洋輔に、MCを務める番組について、そして自身の活動について話を聞いた。

――番組の魅力は？

「すてきにハンドメイド」は基本的にNHKテキストに掲載されているものを、番組が追い掛けていく形で放送しています。番組では(テーマに沿った作品の)作り方が映像で丁寧に放送されるので、文字だけでは分かりにくかった部分も、より理解が深まります。

そして毎回ゲストで登場する講師の方々がものすごく考え抜いた作品(見本)を作ってくださるので、すばらしいものを視聴者の皆さんと一緒に作ることができるんです。(手芸家としての)僕自身の目線でも、アレンジの方法を講師と一緒に考えられるのも魅力的だと思っています。

ちなみに、2月8日(木)の放送は「100円ショップの材料で作るシリーズ」。100均で買うことのできる毛糸で、あみぐるみを制作します。簡単・手軽で親子で楽しめて、新生活にも役立つものになっているのでお楽しみに！

――番組ではいろいろなものを作っていますね？

寒い季節になると、セーターをはじめとした編みものが多くなるんですね。だから最近は外出時も針と糸を持っていって、少しでも時間が空けばずっと編んでいました。

ちょっと編みものはもういいかな、って思ったり(笑)。でもいろいろな講師の方々がいろいろなポイントを考えてきてくれるので、とっても面白いんです。かばんやランチョンマットなど普段の生活の中で使うものも多い。

(手作りした)愛しいものに囲まれて生活することができますね。

――(取材中)着ているニットの胸元の刺しゅうも手作りですか？

フランスに留学していた頃は刺しゅうについて勉強していたので、番組で身に着けている衣装のどこかしらには必ず刺しゅうを施すようにしているんです。実は視聴者の方に、その刺しゅうを探すことを楽しんで欲しくて、初回からずっと仕込んでいます(笑)。

近々開催される「第17回東京国際キルトフェスティバル」(1月25日～31日・東京ドーム)では、僕が今まで作ってきた刺しゅうや手芸作品を並べます。「すてきにハンドメイド」の出張スタジオみたいな形にして、自分のアトリエみたいな雰囲気を出そうかなって。

――番組出演によって手芸家としての活動で生かせる部分はありますか？

それはすごくありますね。基本的に出ていただく講師の方の作り方というのは、教室に入らなければ教わることはできないのですが、番組でポイントを教えてもらうことで「この方はこうやっているんだ」という知見がすごく増えるんです。

「手作り」というのは“上手い下手”はあっても“間違い”というのはなく、全員(人それぞれのやり方)が正しい。自分の好みか好みじゃないかっていうことは一回やってみて、その講師の方のやり方が自分にあっていると思えば財産になります。

(番組に出演していて)僕がラッキーなのは、一番自分に合ったもの(方法)を選べるということなんですね。手芸家として活動を始めたのは約2年前にパリから帰国してからなんですけど、「すてきにハンドメイド」に出るようになってからは毎回さまざまなことを勉強させてもらっています。それは、僕の財産になっていますね。

――番組収録は生ナレーション、一発撮りですが緊張しませんか？

緊張感はありますね。でも、僕が緊張し過ぎてしまうとゲストの講師の方も緊張してしまうので、僕と理子さんがワイワイとやっていれば講師の方も「こういう感じでいいんだ」って安心できるのかなと思っています。ときどき噛んじゃいますけどね(笑)。

今日も序盤で「エレガント」って言うはずが「エロガント」って言ってしまって…。そのまま流そうとしていたんですが、さすがに止められてしまいました(笑)。ハンドメイドということもあってか、アットホームな現場ですね。和気あいあいとやっていてすごく楽しいです。

――番組で習いたい手芸はありますか？

女性の講師が多いので男性もたくさんお呼びしたいですし、新しい手芸を考えた方に習ってみたいですね。あと、「こんな素材で編みものしちゃった、刺しゅうしちゃった」みたいな、面白い素材で手芸をしている方にも習ってみたいです。

手作りとは関係ないかもしれないですが、漁師の方々に網の直し方を教わりたいなとも思っています。実は網の結びと編みは共通している部分が多くて、編みものしている漁師は多いみたいなんです。

そこから何ができるかは分からないですけど、網の手法でかばんとか作れたらかわいいかもしれないですよね。