――「トランスジェンダーのヒロイン」を作り上げる上で意識した点はありますか?
「トランスジェンダー」と聞くと、自分とは違う世界の話だと思う人も多いと思いますが、当然みきは私たちと同じ街で同じように生活しています。なので、身近な存在に感じていただけるように、意識的に「リアリティー」があるものをたくさん取り入れました。
例えば、みきの衣装は全て市販のファストファッションブランドで購入したものです。どこも有名なお店なので、みきとおそろいの服を持っているという方も多いのではないかと思います。
同じように、みきの部屋の家具も某有名インテリアショップで購入していますし、こうした1つひとつの細かな要素で、みきを身近に感じてもらえるとうれしいです。
――志尊さんをヘアメイクをした際のエピソードなどはありますか?
志尊さんご本人から「顔の右半面は『男性的』左半面は『女性的』な作り」と教えていただきました。なので、前髪の分け目も女性的な左半面がよく見える方向にしました。ほかにも、志尊さんは肌のことなど、ご自身についてとても細かく把握されています。「敏感肌だから」とスキンケアも念入りで、ご自身でしっかりとスキンケアをしてからメイクに入り、撮影後は20分以上かけてしっかりメイクオフをしてから帰られます。ほかにも、ヒゲがほとんど生えないということも今回はとても助かりました。
――“小川みき”の総合的な出来栄えはいかがでしょうか?
とにかく自然体な小川みきでした。
衣装を着てメイクをして現場に入ってきた時から、ごくごく自然に「あ、小川みきだ」と思いました。私たちが想像しながら用意した衣装やメイクを、その想像以上に着こなしてくださったこともうれしかったです。
それらはすべて、自然体に見えるように志尊さんがたくさん努力された結果なので、本当に「すごい」の一言に尽きます。志尊さんの努力と覚悟に、スタッフ一同引っ張られて頑張った撮影期間でした。
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