本屋大賞ノミネート記念! “大泉洋主演”の超異色小説『騙し絵の牙』の魅力とは? 【筒井康隆×塩田武士対談】

2018/01/24 17:18 配信

芸能一般

「この作品を書いてよかったと心から思います」と語る著者・塩田氏写真:干川 修


筒井 真相を知って、新潮社に「すぐスタジオジブリへ連絡してくれ」って。「あれはデマです、と伝えてくれ」と言っといた。でも、それから話はないんだよ。スタジオジブリがアニメ化してくれるなら、こっちは御の字なのにさ。

塩田 僕は今、フェイクニュースとかポストトゥルースについて自分なりに考えた、〈後報〉シリーズという連作を書いているんです(『小説現代』不定期連載中)。いや、まさかフェイクニュースでこんなに得をした方が出版界にいらっしゃるなんて!

筒井 僕はフェイクニュースとか炎上で、得ばっかりしてるよ。

一同 (笑)

「助走」を見せることでワクワクさせる


塩田 筒井先生がかつておこなわれていたことを、形を変えて今やるとしたらどうなるだろうとたまに考えるんですよ。例えば『朝のガスパール』(1992年単行本刊)は、パソコン通信を通じて読者と繫がり、読者の意見を小説に反映されていったじゃないですか。今は「親近感」と「透明性」に好感度が集まる時代だと個人的に思っているんですが、『朝のガスパール』はまさにそれでした。

筒井 今やるとしたら、twitter でしょうね。

塩田 そうですね。twitterと、Webメディアと。『朝のガスパール』とまったく同じことをやるのは難しいなと思うので、新作小説の創作過程を開放していったらどうだろうかと妄想しています。いわば「助走」の部分を見せることで、「どんな本になるんだろう? 本が出たら読んでみたい!」と。『騙し絵の牙』でも結局、自分は何を一番読者に提示したかったかというと、そういったワクワク感なんですよ。

筒井 それを実行するとしたらtwitter を利用して、まず炎上させなきゃダメですね。お手伝いしますよ?

一同 (笑)

――残念ながら、終了のお時間が来てしまいました。

塩田 炎上もそうですし断筆宣言も、何でも創作に反映させられる先生の強さは、僕の根本のところで心の支えになっています。今日は本当にありがとうございました。

筒井 いくら市場が縮小しようが、文の芸術としての小説というものは細々とながらもずっと残ると思いますよ。

塩田 たくさん勉強させていただきました!

『騙し絵の牙』本屋大賞ノミネート記念!筒井康隆氏と塩田武士氏によるSP対談写真:干川 修


取材・文:吉田大助

関連人物