2017年3月、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」で、うたのお兄さんを9年間務めた“だいすけお兄さん”が卒業するという事件は、歴代最長出演記録ということもあり大きな話題となった。
子どもたちと同様にショックを受けたのは、お母さんたち。毎日、たくさんの笑顔をくれたお兄さんと「もう会えないなんて!」と、落ち込む人たちが相次ぎ、全国の子どもたちと子育て世代に「だいすけロス」が広がった。
しかし、だいすけお兄さんこと横山だいすけは、並大抵のお兄さんではなかった。
2017年4月8日にはオフィシャルサイトを開設。同月、ブログをスタートし、5月には日本テレビ系「スッキリ!!」の生放送出演を果たした。そこからの快進撃は止まることがなく、舞台・ミュージカル公演活動はもちろん、テレビ出演にCM、ラジオ、冠番組「だい!だい!だいすけおにいさん!!」(huluにて配信)に加え、2018年3月16日(金)公開のディズニー/ピクサー最新アニメーション「リメンバー・ミー」で声優の仕事もこなす。
「だいすけロス」だったお母さんと子どもたちの涙は1年もしないうちにすっかり乾き、だいすけお兄さんは、会えないどころか、より身近な存在になったのである。
卒業してすぐのブログで「やりたかったこと、1つ目は…みんなのもとへ生の歌を届けに行くことです!」と語り、2017年7月25日から現在まで「だいすけお兄さんの世界迷作劇場 2017-18」として全国を回っている。1月、関東公演を終えたばかりの横山だいすけに、公演について、そして2018年の展望などを聞いてきた。
――「迷作劇場」関東公演お疲れ様でした! 劇中でお兄さんの演じるピーターパンとフック船長によるミュージカルがありましたが、小さな子も集中してちゃんと見ていられるんですね。
いやぁ僕もびっくりしました。今までの公演はキャラクターがいて、みんなで楽しむっていう感じでしたが、歌うのがお兄さんお姉さんという存在ではない今回のスタイルは、(子どもたちにとって)“初めてのミュージカル”っていう感じだったので、赤ちゃんから小学生くらいの子もいらっしゃいますし、どうやって受け入れてもらえるんだろうって、すごく不安があったんですけど、みんなしっかりと聴いてくれるんですよね。
――会場の子どもたちはじっと集中している子もいれば、手を叩いたり、一緒に歌ったり。でも泣いていた子もいました。
もちろん泣いちゃった子もその子なりにきっと楽しんでくれる方法があって、きっと帰るときに「きょう行ったね」って何かひとつでも親子のコミュニケーションにつながったら僕はうれしいなって思います。自分にとっては「おかあさんといっしょ」を卒業してからも、子どもたちに芸術を届けられる場所っていうものをひとつ作れたっていうのはとてもうれしいですし、元気とか楽しさを発信できる存在になれたらいいなっていうのが、今、一番思うところではありますね。
――全国を回って、ファンの方から届くのはどんな声ですか?
今まではお手紙がみなさんと繋がっている場だったんですけど、それが、手紙もあればブログのコメントもあったり、コンサートもより近くなったような気がします。自分が新たな挑戦をする中での不安や「うまくいかなかったな」って思うことがやっぱりいっぱいあるんですよね。「あぁ、もうちょっとこうしたらうまくいくのになぁ」とか、自分が元気でいたいのに元気になれない瞬間に、みなさんのコメントやお手紙を読ませてもらうことで、元気をもらいます。ご自身の悩みを話してくれる方もいて、それぞれ悩みながら壁にぶつかりながら一歩一歩進んでいるんだなって。いろんな話を聞いてだんだんと「あぁそうか」「そんなこともあるんだ」「なんか元気もらったな」とか“元気になるタネ”っていうのはいろんなところにあります。
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