『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」が、1月27日(土)から劇場上映開始となる。公開を前に、主人公・古代進役の小野大輔に話を聞いた。
「宇宙戦艦ヤマト」をリメイクし、2012年から2014年にわたって劇場上映からTV放送まで展開した「宇宙戦艦ヤマト2199」。「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」はその続編となる完全新作シリーズで、2017年に第一章「嚆矢篇」、第二章「発進篇」、第三章「純愛篇」が公開されている。
――第三章は、古代と雪の愛が描かれていました。演じられていかがでしたか?
第三章はとにかく辛かったですね。僕ら演者は役の事を知ろうとしますし、その情報を得た後に自分の感情を乗せていきます。つまり、その最初のアプローチには客観性が必要なのですが…。この展開には、自分がこの古代の状況に置かれたら、という主観的な考え方をせずにはいられなくなりました。そこで自分を投影し過ぎてしまうと、古代進ではなく小野大輔になってしまうので、そこは役でありたいと考えるのですが。悩みましたね。
多くの市民が乗った3艦のどれか1艦だけを助けてやる。選ばないと全員死ぬことになる。あの悪魔の選択を突きつけられたら、自分なら何も言えなくなってしまうんじゃないかと思うんです。それなのに、古代は「選ばない」と。常識的な発想を飛び越えていますよね。人間の精神力ってそこまで行けるんだって。古代進という人はヒーローだと思います。自分がもし出題者だったら、「えええ~?」ってなりますよ。理屈が通用しないなって。
見方を変えればカッコ悪いですよね。「選ばない」という、駄々をこねているわけですから。ただ、あそこで格好をつけない、あれを真っ向から言えるのが古代だと思います。他のキャラなら言わないし言えない。考え過ぎて言葉が出なくなるかもしれない。あそこは本当に僕も苦しくて、精神的に自分を追い詰めた上で、本当だったら発せない、口がカラッカラになりながら、それでも言う。その感覚、痛みを感じながら演じていました。
福井さんからもアフレコの度に「この第三章はずっと無理をさせます。ここは試練なので乗り越えてください」と言われていました。ですから、その後の雪へのプロポーズは、『ヤマト』をやっていて、古代をやっていて、本当の意味で報われた感じというのがありましたね。でも、これが第三章のタイミングということは、全然まだ終わりじゃないなっていう感じもしています。
製作発表会の頃から福井さんは「試される愛を描こうと思っています」と言っていたので、随分と試されましたし、ここから先もまた試されるんだろうなと覚悟しています。
――第三章のラストからデスラーが登場しましたが、山寺(宏一)さんとは久々のアフレコになるのでしょうか?
『2199』の時は、人数が多かったため、ヤマト側とガミラス側で分かれて収録をしていました。その時に「一緒にアフレコできたらいいね」という言葉を頂いていて、僕も「山寺さんと掛け合いしたいです」とお話ししていて。それがやっと実現した感じです。
――再会したデスラーはいかがでしたか?
久しぶりに会ってもデスラーはあのままで、誰も到達できない高みに行っている気がします。我々ヤマトクルーはある種、値踏みをされていて、動揺もさせられながら、そこに必死に熱量をぶつけていくというような感覚でした。
デスラーは何者なのか。とにかく強そうだし、底が見えないほどにミステリアスです。昔からそうなんですよね、勝てる気がしない。でも、今回は逆にデスラーも人なんだなと感じられます。これを見たかったんだなと思うんです。詳しくは言えませんが。
デスラーの重厚感、冷静で理知的というキャラクター造形は、なぜそうなったのかはほとんど語られていなかったんですけど、その謎がちょっとずつ紐解かれていくお話になっていると思います。
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