テレビ朝日にて不定期放送されているバラエティー「地球の走り方~世界ラリー応援宣言~」。
FIA世界ラリー選手権のシーズンに合わせ、2017年より月1回ペースで深夜に放送されてきた本番組は、初めてモータースポーツに触れる人に向けても分かりやすい作りになっており、WRCファン以外からも注目を集めている。
FIA世界ラリー選手権(WRC)とは、ヨーロッパを中心にアフリカ・中南米・アジア・オセアニアなどの地域でも開催されている、ラリー競技の最高峰に位置する世界選手権。
公道や競技場などに設けられたスペシャルステージでタイムアタックを行い、その所要時間の合計で順位を決める。
舗装路はもちろん、アルプスの雪道や、牛や馬が通るようなジャリ道も180km超えで激走し、“公道最速の自動車競技”として熱いファンから支持されている。
今回、ラリーの魅力を紹介する「地球の走り方~世界ラリー応援宣言~」に出演する、謎多きハーフ美女・桂田アマンダ純にインタビューを行い、番組の見どころなどを語ってもらった。
――インタビューを初めて受けられるとのことで、まずは桂田さんがWRCに触れたきっかけから教えてください。
私は同時通訳の仕事をしているのですが、父親がスバルSTIのラリーチームの仕事をしていて、親に付いて一緒に見に行ったのがきっかけでした。
前知識なしに初めて行ったラリーGBでは(父はサービスパークにいたため)、私はチーム関係者の方とSS観戦に出ていました。最悪のコンディションの中でも、あれだけ楽しそうにしているローカルファンの姿に興味をひかれ、「ラリーはなぜこんなに人をひきつけるのか?この場所(FB)にとってラリーとは?」と、大学で学んでいた文化人類学的なアプローチで見るようになりました。
その後、各国のラリーに行きましたが、いろいろな国のファンやお店の方、チーム関係者、タイヤメーカーなど個人で話していくうちにどんどんWRCという文化の世界にはまっていきました。
そのうちジャーナリストの方とも話をするようになって、日本とアメリカの自動車雑誌の方から誘っていただいて、記事を書くようになりました。技術的な内容よりもラリーを支える人たちという視点で書かせていただいていて、それがこういったラリー番組出演につながったのかなと思います。
――ラリーに関わる人への興味が大きかったという事ですね。
そうですね。ラリーはヨーロッパや中東など、各国を転戦しますが、サーキットのように決められたコースはないので、その場所にテントとかいろいろと設営しなくちゃいけなくて支える側も大変なんです。食事を用意する人もいて、そういったラリーに関わる人たちの仕事にも興味がありました。
――最初に見たラリーはどこの国のものでしょうか。
2001年のウェールズ・ラリーGB(グレートブリテン)です。場所が(英国の)ウェールズなので、皆さんが、ウェールズ語をしゃべってらしたんです、そういう文化を体験できるのも面白いですよね。ラリーは閉ざされたサーキットの中ではなく大きなエリアを広く駆け巡るものなので、モータースポーツだけを見るのではなく、その国そのものを見ているという感覚が味わえて、とても興味を持ちました。各国のラリーに行く際は、どういった人が見に来るのか、その国の文化に触れるのが本当に楽しいです。
――ラリー自体の印象はどうでしたか?
その時は、(11月下旬の開催で)コンディションは最悪、横殴りの雨でした。でもこんなに寒いのに楽しいんだ!と驚きました。崖のような所から走ってくるコースだったのですが、マーシャルが笛をピーっと鋭く吹いて、すぐに見えないところからラリーカーがグォォーン!と爆音を挙げて駆け抜けていくんです。見た瞬間、これだって思いました。一目惚れに近い感じです。
――その後は、どこのラリーを観戦されましたか?
2008年のヨルダン・ラリーであるジャーナリストから聞いたのですが、ラリーの範囲内には遊牧民が行き来する地域もあるため、政府が彼らと牧畜をごっそり移動させたとのこと。
中東以外でのWRCでは基本的に考えられない展開ですよね。これも非常におもしろい体験でした。
2008年の後は、しばらくアメリカの大学院に行ってアメリカで働いていたので、ブランクがあります。離れている間にラリーの世界もいろいろ変わりましたね。
――当時と現在のラリーに対しての印象は?
当時からもそうですが、タイヤ選択のときにカンが鋭い人などもそうですが、運が強い人が最後に残るような印象を受けます。(連続王者の)オジェやローブは運にも恵まれている人ですよね。優勝争いしているライバルの前に牛が出てきても、自分が走るときにはそういうアクシデントがないという、特にラリーはサーキットイベント以上に運も左右するなあと。
――ブランク後、番組出演のきっかけは?
18年ぶりにトヨタさんがWRCに出られるという事もあって、番組のプロジェクトが立ち上がり、巡り巡って今回この番組のお話を頂きました。以前の私の仕事を覚えていてくださった人が声をかけて下さったんです。
――この番組のための事前準備はどんな事を?
事前にモンテカルロのような歴史のあるラリーはもちろん、前年との比較など基本的には全部データを洗い出すことをしています。細かい部分を語ってしまいがちなのですが、それは専門的になり過ぎてしまっているのか、放送ではカットされていることもしばしば(笑)。
――これから番組を見る視聴者の方に一言。
車のことを知らなくていいんですよ。完璧に考え過ぎないで、気楽に楽しんでほしいです。
もし自分が何か企画を持たせてもらえるのなら、世界で見た面白い観客や楽しみ方、どんな人がラリーに関わっているのか、その国にとってのWRCとは何かなど掘り下げられるものがいいですね。絶対に楽しめると思います。
この番組は、そういう車について何も知らない人が見ても楽しめる内容になっているはずです。
――1年間番組に出演された感想と今後の抱負は?
テレビ番組は初めてだったので、アンジャッシュさんがいてくれたおかげで助かりました。
バラエティーに出たことがなくてどうすればいいか迷っている私に、渡部(建)さんが話を振ってくださって。おっしゃっていることも的確ですし、本当に助かっています。1年たってもまだ全然なれませんが、毎回うまくしゃべれるといいなと思いながら頑張っています。
――ブリリアンのお2人については?
番組の中で的確なイジリ方をされていて、(ラリー観戦は)知らない人が見て少し圧倒されてしまうのを、現場で見たブリリアンさんの感覚で伝えてくれているので、視聴者にとっては2人がいることでより理解しやすくなっているのではないでしょうか。
――レギュラー出演されて周囲の人の反響は?
通訳のお仕事で行った先の方から「もしかして番組に出てる?」って言われます(笑)。
ラリーファンじゃない人にも面白い番組だと思っていただいているようで、うれしいですね。番組を通してラリーを知らない人にも面白さを伝えるということに、すごく貢献しているような気がします。これからも精いっぱいやらせていただきますので、応援よろしくお願いします。
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