プライベートでも“旅人”な阿藤快が語る「ぶらり途中下車の旅」の魅力とは?

2010/03/29 18:41 配信

芸能一般

「ぶらり途中下車の旅」の魅力を語ってくれた阿藤快

日本テレビ系の長寿番組として知られる「ぶらり途中下車の旅」が、CS放送の旅チャンネルで3月26日より放送がスタート。番組をナビゲートする“旅人”として最多出演記録を保持する阿藤快が、この番組の魅力を語ってくれた。

―――これまでの出演回で印象に残っているのは“何線”の旅でしたか?

'07年に行った東急池上線の旅ですかね。昔、西島三重子さんが「池上線」という曲を歌ってヒットしたんですけど、「池上線沿線にこの曲をフルコーラスで歌える人はいるか?」という調査をしたんです。サビを歌える方は結構いたんですけど、フルコーラスっていうのはなかなかいなくてね。まず、レコード屋さんで店番していたばあちゃんから、「向かいのうちがよくカラオケをやっているから行ってみたら」って教えてくれたんです。それで向かいのお宅に行ってみたら、「あの酒屋のご主人なら歌えるんじゃないかな」と言う。それで今度は酒屋に行くと、「あっちにあるお米屋さんの若奥さんなら歌えるよ」って言うんですよ。そんなふうにしてたどって行ったら、そのお米屋さんの奥さんがちゃんと歌えたんです。これだけ皆さん歌えないのになぜ歌えるのか理由を聞いてみたら、そのお店の屋号が“池上米店”ということでね。「池上米店、池上線歌います!」って言ったらウケるんだって(笑)。この企画は珍しく完全にアポなしだったけど、面白かったですね。ちゃんとオチまで付きましたから。

―――プライベートでも“ぶらり旅”することはあるんでしょうか?

ひと駅ひと駅を降りて…ということはしませんけど、地下鉄なんかはしょっちゅう乗っています。東京の地下鉄はすごいですからね。大江戸線や副都心線なんかもできたりして、長年都内に住んでいても完全に把握することはかなり難しいでしょ。その複雑な路線図を見ながら、どう乗り替えたら合理的か考えたりすると楽しいんです。時間がかかるのを承知でわざと遠回りして帰ってみたり。銀座から新宿まで真っすぐ行っちゃったら面白くないから、新しい経路を見つけようとしたりね。PASMO、持ってますから(笑)。

―――プライベートでも“旅人”なんですね。「ぶらり途中下車の旅」の“旅人”としては番組に最多出演されているそうですが、ずばり番組の魅力はどんなところにあると思いますか?

最近、近郊の町をぶらぶら歩く番組が増えていますけど、「ぶらり途中下車の旅」がその元祖だと思うんですよ。都心の路線ばかりですけど、上京してきた人はもちろん、地方の人が見ても楽しめて役立つ情報が結構あるんじゃないかな。例えば、丸の内線は新宿を通って、赤坂(見附)を通って、東京駅まで行くから“東京のことが一番よく分かる線”だとかいうじゃないですか。そういう各路線の駅を1つ1つ紹介しているわけですから。その中で見せる“各地域に生活する人との出会い”が一番の魅力なんだと思うなぁ。それに尽きると思いますよ。

―――最後に4月2日(金)に放送される「南武線」について見どころを教えてください。

この路線でもいろんな人と出会いました。もう90歳だけどシャキっとしている帽子屋のおかみさんとか、イチゴ作っているお兄ちゃんとか、フジツボ料理を出すお店のご主人とかね。南武線って昔は人が少ない印象のあった線ですけど、だいぶ変わってましたよ。沿線に大学なんかもたくさんできたし、ずいぶん明るい線になったという印象を持ちました。以前より都会的になった一方で、都心とは違う風景も残っているんです。東京の原風景みたいなものを感じてもらえるんじゃないかな。

撮影/取材/文=大小田真