平昌オリンピックのフィギュアスケート団体戦が開幕! フィギュアスケートへの注目が高まる中、織田信成氏に見どころをうかがった!
織田:男子は、ネイサン・チェン(アメリカ)、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)、ミハイル・コリヤダ(ロシア)、宇野昌磨の4選手に加えて、ぶっつけ本番で臨む羽生結弦選手がどう仕上げてくるか。メダル争いは5人に絞られるでしょう。
4回転ジャンプを5回組み込む、超難易度の構成を成功させたチェン選手。スピード感と挑む姿勢で魅せる宇野選手。
そして、技術に加えて芸術性や美しさを前面に押し出す残りの2選手と対照的ですが、ファンの方も気になる羽生選手は負傷した右足首を考慮して、恐らく4回転ルッツは回避するでしょう。世界一のレベルにある芸術性を高める構成で、勝負を懸けてくるはずです。逆境になるほど発揮される、彼だけが持つ強さでブランクによる体力的な不安を吹き飛ばしてほしいですね。2種類の4回転ジャンプを跳べるようなった田中刑事選手は、感情を伝える部分を含めた演技全体の完成度を高めて、入賞を目指してほしいと思います。
織田:女子は、ロシアの選手たちが個人資格で出場することが認められました。何が起こるか分からないのが五輪の舞台ですが、それでもロシアが誇るエフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ両選手の優位は動かないと見ています。
演技構成でメドベージェワ、ジャンプなどの技術構成ではザギトワが高い得点をマークするでしょう。金、銀のメダルを独占する可能性もありますが、日本の2人もメダル争いに食い込む力が十分にあります。左股関節の疲労骨折という大けがを乗り越えて代表入りした宮原知子選手のジャンプやスピンからは、滑れることへの喜びが美しさとなって伝わってきます。
坂本花織選手の武器は代表選考会となった昨年末の全日本選手権で見せたここ一番の勝負強さと、伊藤みどりさんの再来と海外のメディアで早くも評価されている、高さも幅もあるジャンプでしょうか。GPファイナル3位のケイトリン・オズモンド選手(カナダ)、4位のカロリーナ・コストナー選手(イタリア)らを交えた争いに注目したいと思います。
文=藤江直人
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)