4年に1度の冬のスポーツの祭典、平昌オリンピックが開幕した。血のにじむような鍛錬を重ねてきた世界のトップアスリートたちが一堂に会し、最高のプレーで世界中の人々の胸を熱くしている。
そして、そんなアスリートたちを支える人々にとってもまた、オリンピックは特別な舞台だ。世界水準の技術を持った”職人”たちが、アスリートたちの活躍を支えている。
冬の花形スポーツのひとつ、フィギュアスケート。選手たちが履くスケート靴のエッジ(刃)は、選手に合わせた繊細な調整が必要だ。
‘14年のソチ大会で金メダルを獲得し、世界歴代最高得点を12回更新したフィギュアスケートの絶対王者・羽生結弦のスケート靴のエッジを研磨するのは、青森県八戸市に拠点を置くアイスホッケーチーム・東北フリーブレイズで選手のスケート靴のエッジ研磨を行う吉田年伸氏。2015-16年シーズンにアジアリーグ連覇を成し遂げた強豪チーム・フリーブレイズの選手たちを支えるかたわら、長年羽生のスケート靴のエッジ研磨も担っている。
スノーボードのワックス掛けを担当するワックスマン。雪質との相性で滑りを左右するため、経験と技術が必要だが、スノーボードパラレル大回転に出場する竹内智香選手のワックスマン・広瀬智晴氏(写真右)は、長年支えてきた頼れる存在。ソチ大会のパラレル大回転で2位となり、スノーボードで日本女子初のメダルに輝いた竹内の5度目の五輪挑戦をがっちりとバックアップする。
東京都大田区の町工場関係者が力を合わせ'12年から活動してきた「下町ボブスレー」プロジェクト。職人たちが技術力を結集し、ボブスレー用のそりを開発した。契約するジャマイカ・ボブスレーチームが下町ボブスレーを使用しない可能性に言及しており、今大会での五輪デビューは不透明だが、‘17年のノースアメリカンカップで銀メダルを獲得するなど性能はすでに証明済み。日本の下町工場の技術力を結集して作られたそりが世界の舞台で輝く日を楽しみに待ちたい。
アスリートたちの周囲には、彼らを支える様々な分野の職人が存在する。そんな職人技に注目すると、さらに深くオリンピックを楽しむことができそうだ。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)