圧巻のラスト大殺陣、石川由依に宿ったA2誕生の瞬間!「音楽劇ヨルハVer1.2」千秋楽!!

2018/02/15 16:00 配信

アイドル

ヨルハ二号となり、堂々主演を務めた石川由依。これがA2誕生の瞬間だ

東京・THEATRE1010にて上演されていた石川由依の主演舞台「音楽劇ヨルハVer1.2」が去る2月13日、千秋楽を迎えた。「音楽劇ヨルハVer1.2」はゲーム「NieR:Automat(ニーア オートマタ)」と世界観を同じくする舞台。再々演を数える今回は脚本を新規に書き下ろし、生演奏を加えた「音楽劇」に変えての公演だった。

【芝居の世界がなければ今の自分はいない。「音楽劇ヨルハVer1.2」で座長の大役、石川由依が芝居に懸ける思い より続く】

遥か未来の世界。異星人の放った機械生命体に支配される地球を奪還するために、月にいる人類は新型アンドロイド兵士“ヨルハ”を投入。描かれる第十四次降下作戦は、ゲームの前日譚という繋がりがある。

石川が演じたヨルハ二号は、「NieR:Automat」に登場するA2(エートゥー)と同一の個体(過去)。ゲームではクールで不遜な態度のA2だが、前日譚となるこの時は自分に自信がなく、むしろ気弱な性格を見せるヨルハだ。任務に真面目だが不測の事態で隊長になったため、皆に引っ張られてばかりという状態。

そんな二号だったが、窮地と絶望の中でも戦い抜いた仲間のヨルハたち、地上で出会ったレジスタンスたち(第八次降下作戦の生き残り)の生き様を目の当たりにすることで大きな成長と変化を果たしていく。仲間を思う優しさ、生きる強さ、戦う勇気を教えられた二号は、俯きがちだった面を上げ、怒りに震えるA2へと。

そのA2誕生の瞬間となる大殺陣は、最後の最後の山場に用意されていた。全ての仲間を失い、怒りと後悔、慟哭で覚醒する二号。剣に振り回されるようだった印象は霧散に掻き消え、高ぶる感情のままに剣を振る。顎を上げ、見下すように一瞥する眼光。石川が見せる姿は所作そのものが一転し、それはまさに「NieR:Automat」のA2を彷彿させるものだった。

彼女は幼少から演劇の世界で活躍してきたキャリアの長い役者でもある。ゴーグル着用のため表情での芝居はできないというハンデがありながら、諸所の仕草、顔の動き、声のトーンで二号の心を表現していく。過去の舞台で様々な役を経験し、声優業での糧も大いに生きていたのだろう。声優としての彼女しか知らないまま見たファンの方は、堂に入った剣捌き、しなやかな立ち居振る舞いなど、石川の舞台芝居に驚きを受けたかもしれない。

連日満員だった8回の公演。石川は最後のカーテンコールで、「開演前には今日、体調不良で降板したおぐちゃん(小倉江梨花)にも電話つないで、『みんで頑張るぞ!』という気持ちで千秋楽を向かえました。こんな素敵なメンバーと舞台に立てたことをすごく幸せに思います。キャスト全員、1カ月稽古を頑張りましたし、裏にもたくさんのスタッフさんがいて私たちを支えてくれました。そして皆さんの応援があってこそ、この舞台は成功したんだなと今実感しています。生の舞台は今日で最後ですがBlu-rayが出ますし、何度も何度も繰り返し見て楽しんでほしいです。皆さん、本日は誠にありがとうございました」と挨拶。一際大きな拍手が沸き起こる中、最後は石川のお願いで客席の全員が起立。会場全ての人で「人類に栄光あれ!」の掛け声とポーズを決め、千秋楽の幕を閉じた。

田中れいなが放った2.5次元キャラの魅力と圧巻のライブパフォーマンス!「音楽劇ヨルハVer1.2」千秋楽!! へ続く。同記事は2月15日(木)夜7時配信予定

文:鈴木康道