山下聖菜「色気も意識しながら演じています」“もののふ”シリーズ最終章で新境地

2018/02/15 09:00 配信

芸能一般 インタビュー

【写真を見る】主人公の幼なじみで、妖艶な“遊女”を好演している(C)M-UP


和装は歩き方や所作を覚えるのも一苦労


――着物姿がとても艶やかですね。

私、夏祭りとかでも浴衣ではなく甚兵衛を着ている子供だったんです(笑)。だから、着物は着慣れていなくて。和服を着る役は初めてだったので、歩き方や所作を覚えるのが大変でした。

最初に台本を読んだ時、私の中の音海のイメージは静かな感じでした。でも、稽古場で演出の西田(大輔)さんから「もっと元気な感じでいいよ」とアドバイスを頂いたんです。音海は登の話をしっかりと聞いているような立ち位置のキャラクター。

「音海は聞き上手」と、西田さんに言われた時に、何となく納得できたというか、自分の中に音海がストンと入ってきたような感じがしました。

――主人公の新撰組隊士・中島登と音海の関係について、どんなふうに思っていますか?

登と音海は幼なじみ。私にも幼なじみがいるので、ケンカすることもありますし、他の人よりも当たりが強くなってしまうようなところは「あ~、分かる、分かる」って思いながら演じています。

でも、自分のことを一番理解してくれている存在でもあるんですよね。音海にとっての登も、それは同じ。幼なじみという関係でありながら、時を経て少しずつ変わっていく音海の気持ちをうまく表現していきたいです。

――登役の花村想太さんと、お芝居のことで話し合ったりしたんですか?

登と音海が喋っているところは、新撰組が戦っている場面と違って、ちょっと肩の力が抜ける瞬間でもあるんです。

どこか安心する空気感を作りたいなと思って、いろいろ相談させていただきました。稽古場でも、役についてお話する時間が多かったです。

――近藤勇と土方歳三の関係をはじめ、新撰組の絆の深さに胸を熱くさせられる場面が多い作品ですよね。

本当にそうなんです。冒頭のシーンは、通し稽古の時から胸がいっぱいになってしまって、毎回涙が出そうになります。近藤、土方、斎藤、それぞれの視点から見ても楽しめる物語。登場人物一人一人がしっかりと描かれている点に注目してほしいです。

それと、過去の“もののふ”シリーズで印象的だった場面が今回も登場するので、前作を見てくださった方たちはそのリンクしている部分で、また泣けるんじゃないかなと思います。

――今回は男性ばかりの座組ですが、戸惑いはありませんでしたか?

自分が紅一点だという意識はあまりなくて、カンパニーの一員として私なりに色を添えられたらいいなと。以前、ご一緒した方も何人かいらっしゃるので、特に戸惑いはありませんでした。

西田さんの作品も今回で3作目ですし、稽古中も変に気負うことなく輪の中にいられたような気がします。