一方、成長著しいのが20歳の宇野昌磨(うのしょうま)だ。
‘15年3月「世界ジュニア選手権」のSPで完璧なトリプルアクセルを見せ1位に。FSでは精彩を欠いた演技で課題を残しつつも、羽生に続く日本人5人目の世界ジュニア覇者となった。
翌シーズン、'16年12月「全日本選手権」は羽生欠場の中、実力を発揮すべく挑むが4回転が決まらずSPは2位。しかし気持ちを立て直し、FSでは3回転の連続ジャンプを成功させてみごと逆転優勝。プレッシャーからか、終演後は涙があふれた。
'17年2月「四大陸選手権」では、SPで史上4人目となる100点台をマークし羽生を抜いて2位に。FSでは、自身初の3種類4本の4回転の着氷に成功。総合では羽生を超えられなかったが3位に。
そして、‘17年12月の全日本選手権。宇野は、ジャンプで減点され「SPのノーミスは難しい」と語ったがSPは1位。FSの冒頭では4回転ループを含むジャンプが成功するも、後半のジャンプに不安定さを残した。しかし、4回転トウループを連続ジャンプの後半に構成する大技に挑戦。連覇を果たし、五輪に向け好感触の結果となった。
そんな宇野だが、五輪の舞台は今回が初。織田氏は「初の五輪に臨む今季の宇野選手は、勇気を持って『守りには入りたくない』と公言してきました。戦う姿勢を前面に押し出して自分を鼓舞する、時には追い詰めることでどんどん強くなってきました。技術的には昨季より4回転ジャンプを増やした構成にしていました。あとはその姿を平昌のリンクで見せるだけだと思っています」
多彩な四回転ジャンプが武器のネイサン・チェン(アメリカ)については、「滑って魅せるという芸術性の部分では成長できる余地を残していますが、数種類の4回転を跳べるその技術は現時点で世界一です」。
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)は「SPで3位につけながらFSでのミスが響き、4位に泣いたソチ五輪の悔しさはかなりのものがあったはず。雪辱の思いを、美しい演技に凝縮させてくるでしょう」。五輪出場は‘10年バンクーバー、’14年ソチに続いて3回目という経験値の高さも脅威だ。
ミハイル・コリヤダ(ロシア・OAR)については、「4回転ルッツを成功させた選手です。羽生、フェルナンデス両選手と同じく、“氷上を滑る”という最大の芸術表現で、初参加となる五輪に勝負を懸けてきます」と織田氏。強豪ひしめくフィギュアスケート男子で栄冠をつかむのは誰なのか。
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