――本作品の映像化が決まったときの気持ち、主演を水川あさみさんが演じられることについて
奔放で、性的快楽への好奇心を抑えきれない女。けれど彼女は人一倍モラリストでもあり、周囲に見せる顔と本当の自分とのかいりに苦しんでいる。
もしかすると同性からさえ後ろ指をさされかねないこの難役を、大きな覚悟で受けて立って下さった水川あさみさん、そして、地上波ではまず望めない大胆さと細やかさをもって、見事な人間ドラマに織り上げて下さった御法川監督に、心からの感謝と賞賛を捧げます。
――監督オファーを受けた際の感想や本作品で新たに挑みたいことについて
不倫報道が相次ぎ、ヒステリックなバッシングが激しさを増す昨今、「正しく生きること」に縛られた社会の圧迫を息苦しく感じている人は少なくないはずです。本作のヒロインが既婚者でありながら、次々と男を乗り換えていく姿は不謹慎なものに映るでしょう。
でも、ぬるま湯のごとき思惑や秩序から解放され、本能的な欲求に突き動かされる姿は、とても人間的で生命力に満ちています。あからさまに劣情を刺激する描写は封じ、村山文学の気品を損なわない上質な官能ドラマに仕立て上げるべく、スタッフとキャストが一丸となって精魂を注ぎ込んでいます。
見る人の性愛に対する琴線を震わせる、もの狂おしいドラマとなるはずです。ご期待ください。
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