ベストセラー作家・夢枕獏の小説を、「さらば、わが愛/覇王別姫」(1993年)などのアジアを代表する巨匠、チェン・カイコー監督が映画化した映画「空海-KU-KAI-美しき王妃の謎」。遣唐使として中国・唐に渡った若き天才僧侶・空海(染谷将太)と、彼の相棒となる詩人・白楽天(ホアン・シュアン)が、王朝を震撼とさせる怪事件と楊貴妃(チャン・ロンロン)の死を巡る謎に迫る物語。空海を演じた染谷と、物語の鍵を握る阿倍仲麻呂を演じた阿部寛が作品についての思いを語った。
染谷将太「空海という方は人知を超えた存在なので、彼を演じるのは雲をつかむような作業だったのですが、監督から人間味を感じさせる人物にしたいと言われたので、この映画ならではの空海を目指しました。まあ、何を考えているのか分からない不思議な面もありますが、ユーモアがあり、親しみのある空海になっていると思います」
阿部「僕が演じた阿倍仲麻呂は、歴史的に最も有名な人。夢を持って唐に行き、そこで官僚の試験にも受かってしまうのだから、この人も並の頭の良さじゃない。そこから玄宗皇帝のそばで働くことになるのですが、玄宗皇帝の妃である楊貴妃に恋をしてしまう。脚本を読んだときに、なぜそれほど厳格な男が恋心で無理して走るのか? これは難しいことを要求されたなと思いました。なので、監督に『これはどういうことなんですか?』と聞こうと思ったんですが、その勇気がなくて(笑)。でも、監督は本当に細かいところまで演出してくださる方だったので、現場で戸惑うことはなかったです」
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