持田真樹、4年ぶりの舞台は天才女形・早乙女太一との禁断の恋

2010/04/07 10:28 配信

芸能一般

互いに思い合っていても、新之助(早乙女)と伊予(持田)の恋は実らない

“100年に一度の天才女形”として、幅広い層に人気の早乙女太一。美貌の剣士役と妖艶な女形との魅力を存分に堪能できる舞台「嗚呼、田原坂」が、明治座にて上演中。早乙女の相手役であり、大人の女性を演じる持田真樹が、舞台の魅力を語った。

―いちばんの見どころは?

「やっぱり早乙女さんの殺陣が本当にすばらしい…。一番最初に稽古場で見た時に、『なんて素敵な、柔軟な殺陣なんだろう』って、彼の殺陣は、強いだけの殺陣ではなくしなやかなんです。以前、劇団新感線の『蛮幽記』を観たことがあって、その時は(北野)武さんの映画にも出ていた彼だなという意識くらいでした。年齢も聞いて本当にびっくりしました。二十歳超えてるのかなと思っていたら、18歳で(笑)。太一君のお母さんとあまり自分の歳が変わらないことに、倒れそうになりました(笑)」

―役柄ではお互い恋心を抱くようですが…

「とても複雑に揺れている役でして。自分の意見が言えなかった時代の女性が親に決められたところに嫁いで、自分の気持ちも定まらないまま、嫁いだ先の家族に献身的な愛を注ぐ。そこで、戦地に行った彼(義息子)と手紙をやりとりする中で、お互いの気持ちが少しづつ近づいていく…でもその気持ちは言葉として形にすることはできないんです。伊予は結城家に、彼のお父さんのもとに嫁いできているわけですから」

―戦いの中で、新之助がその心情を吐露していく感じ。それもまた見どころのひとつですね。早乙女さんは持田さんから見てどんな印象ですか?

「ひたむきですね。10代なのに、大人っぽいですし。最初の顔合わせがいきなり立ち稽古だったんです。演出の岡村(俊一)さんのスタイルなのかもしれませんが、とにかくびっくりしました。その立ち稽古でお会いしたのが最初でした。メディアを通してクールなイメージがあったんですが、時々笑う顔がすごくかわいいんです。とてもシャイですし、無口な方ですね」

―休憩時間がないぐらいタイトなスケジュールだそうですね

「お昼から始まって、20時か21時くらいまで稽古しているんですけど休憩時間が合計して1時間もないんです。なので、雑談する感じもなく、あまりゆっくりお話する機会がなかったんです。落ち着いてきたら交流を持てるといいですね」

―岡村さんの演出はどうですか?

「12、3年前にお会いする機会があって。それ以後は劇場でごあいさつすることはあったのですが、ご縁がなくて、今回やっとお仕事ができることになったんです。日々変化していく、稽古スタイルがとても新鮮ですし、刺激的でもありますね。正直戸惑いはあります。わからないところは質問したり、演出家のイメージに沿って解決していっているので、その変化がいい方向にいっていると思っています。自分が提案することも意見を取り入れてくださいますね。追加されたセリフが言いづらかったりする場合は、気持ちをいれやすい言葉に変えていただいたりと変更の連続です。全体を作ってから、細かい調整に入っていく作り方みたいですね」

―ほかの共演者の方はどんな感じでしょう?

「(山崎)銀之丞さんは、すごく頼りになる先輩で、いつも助言してくださいます。銀之丞さんが出てくると、ぱっと明るくなります。生きるか死ぬかのお話の中で、やわらかく笑いをとってくれますね。太一君が笑ってるんですよ。あの太一君をどう笑わせるか、銀之丞さんが毎回頑張っているんですよ。でも先日、岡村さんに『もう本番までネタを変えなくていいよ。とっておいてほしい』って言われていました。高部(あい)さんは天然でかわいらしい方です。今回、3人の女性の視点からみた戦いもあり、女性のそれぞれの想いがせつないんです」

―今回、持田さんは4年ぶりの舞台ですね

「皆さん初競演ということもあり、緊張しました。いきなり立ち稽古からのスタートで目まいもしたけど(笑)。稽古は日々変更があったので、絶えず変わっていくセリフを聞き逃さないように集中していないといけないと緊張しっ放しでした。衣装も着物ですし。毎日ドッと疲れが出ますね(笑)。でも、着物はとても好きなんで、楽しいです」

―観劇にくる方へのメッセージをお願いします!

「生きることの大切さ、生きている意味、愛する人のために戦う意味とか、現代のわたしたちにもわかる、深いテーマの舞台です。自分が生きていること、存在していることに不安だったり、自分の存在意義がわからずに過ごしていても、きっと意味があるんです。昔の人は真剣に向かい合っていたんだなと思わせてくれます。それが伝わるといいなあ。私としても久々の舞台で、新たな一面を見せられる役でもあるので、ぜひ来てください!」