大杉漣さんが主演を務めた「ドラマスペシャル『青春の名曲ストーリー 赤いスイートピー 神田川』」が、3月4日(日)にBSジャパンで再放送されることが明らかになった。
同作品は、2016年3月12日にBSジャパン開局15周年特別企画として放送され、「赤いスイートピー」と「神田川」の曲をモチーフにしたオムニバスドラマ。大杉さんは「神田川」の主演を務め、定年退職を迎えて張り合いのない毎日に居心地の悪さを感じる根岸和雄を演じた。
映画製作の夢を追い掛ける息子・賢太郎(広木健太)の同棲相手が和雄自身の大学時代の恋人に瓜二つだったことから、漫画家になる夢を追いかけていた自分の青春時代を思い出すという内容。
大杉さんは、クランクアップ時に「演じた役は43年前の僕自身を投影した人物で、俳優として“出合うべき作品”だった」とコメントしていた。
また、今回の再放送にあたり、森田昇プロデューサーは「大杉さんには、この作品のことを『出合うべき作品だった』と言っていただき、ご一緒できたことを誉れ高く思います。この作品では限りなく市井の人を演じていただこうと思いました。そのためか、大杉さんのトレードマークであり、星の数ほど持っていらっしゃる眼鏡をかけていません。素の大杉さんに近い形で演じようとされたのでは…と解釈しています。
そんな大杉さんの人生にも重なる作品です。偉大な俳優さんとご一緒できたことをうれしくも思える作品です」と述べた。
主人公・和雄は、43年前の僕自身の姿だったのかもしれません。当時、僕は吉祥寺のアパートである女性(妻)と暮らし始めました。演劇の世界に足を踏み入れ、俳優を志した時代でもありました。もちろん、経済的には恵まれていなかったのですが、俳優になろうとした夢は“生きるチカラ”だったのかもしれません。今回のドラマ「神田川」は、多少の大げさを許していただけるなら、俳優として“出合うべき作品”だったと感じています。
和雄は、特別な人間ではありません。どこにでもいるであろう65歳の男です。僕の実感を言えば、普通である人間を演ずることが一番難しいと感じているのです。演ずることで心掛けたことは、等身大の65歳の男の姿です。そこにリアルを感じていただければと願っています。
あと細かいことですが、星田監督と相談させていただき、今回は老眼鏡以外、眼鏡なし! になりました。これは大杉にとっては珍しいことであると同時に新鮮でもありました。
名曲「神田川」は、今から43年前の作品です。それをモチーフとしたドラマですが、決して懐古的なものではありません。むしろ“今を描いた”ものになっています。生きていくという普遍的なテーマは、若者だけではなく老いゆく者にもあるのです。ドラマ「神田川」は、ささやかな人生の新たな一歩を踏み出した者たちが、再生する姿を描いています。老若男女一人でも多くの方に見ていただきたいと願っています。
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