――逆に、ご自身が裸ネタやってみようというふうにはならなかったんですか?
それはもう周りにさんざん言われました、1年かけて。もうついにお前が脱ぐ番やなっていうのは言われましたけど、「ホンマにそれで責任とってくれんのやな」って言ったらみんな黙りましたね(笑)。いや、そりゃチラつきましたよ。裸だけでなく見た目の面白さ、視覚の華やかさ、インパクトはチャンネル回す手を止めますもんね。見た目の派手さ、楽しさみたいなのは絶対必要なもんやなっていうのは思いましたね。裸になる気はなかったですけど。いや、正直「R-1ぐらんぷり2017」が終わった去年の前半ぐらいは考えましたよ。でも、考えても分からなかったですね、客観的に自分を見て、そういう才能があるのか。あるとはどうしても思えなかったですね。
――東京と大阪でネタのはね方に違いは感じられましたか?
ネタの箇所によって、東京ではウケたけど大阪ではダメだったとか、その逆もありましたね。どっちがいい悪いとかじゃなくて、このくだりは大阪のほうがウケる、このくだりは東京のほうがよかった、というような感触はありました。全体的な手ごたえ自体は同じ感じでしたね。僕、大阪も別にホームではないので(笑)。
――同じく決勝進出3回目のルシファー吉岡さんが「R-1ぐらんぷり」は精神的にしんどい、早く優勝して卒業したいというようなことをおっしゃってましたが、小田さんはいかがですか?
その気持ちもわかりますけど、反対にチャンピオンになっても出たろうかなという気持ちも正直ありますね。なってみないと、とりあえず1回優勝しないと始まらないなぁとは思いますけど。それで出えへんようになるのかな、どうなんやろ…いやいやいや、そりゃしんどいですよ、毎年思ってますよ! むちゃくちゃしんどいですやん! でも逆に普段の生活でそんなにピリつくことって、ないじゃないですか。だから、そういうところに身を置くことも必要なのかなという思いもありますね。とりあえず今年優勝したとして、それで卒業して来年出ないって言い切ることは多分しないと思います。
――声を張り上げるタイプのネタですが、のどの調子にも気を遣っているんですか?
僕、のどを壊したことって1回もないんです。全然平気です。もう半分病気やと思うんですけど、声を大きくすればするほど自分のキャパを越えてワァッと(声が)出てしまうんで。肺活量が持たないことはありますが、のどの方は全然大丈夫です。
軽快なしゃべりとキレ気味のツッコミで取材中何度も笑いを起こすさまは、まるで1本のネタを見ているよう。今年40歳を迎える安定感抜群のピン芸人が、人生をかけた舞台に立つ。
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