永六輔がラジオから発信した傾聴すべき言葉の数々を今、振り返る

2018/03/10 12:32 配信

芸能一般

ラジオパーソナリティーとしても大活躍した永六輔

TBSラジオで1991年4月から24年半にわたって放送された生番組「土曜ワイドラジオTOKYO永六輔その新世界」。その音源を厳選して珠玉のトークを集めたCDの第5弾「永六輔その新世界特選ベスト 笑う門には福来る篇」がリリースされた。

放送作家、著述家、作詞家として活躍した永六輔(1933年4月10日-2016年7月7日)。NHKをはじめ数々の番組の台本を手がけ、たくさんのヒット曲を生み出す傍ら、軽妙な語り口を生かしてラジオパーソナリティーとしても輝きを放った。

「土曜ワイドラジオTOKYO永六輔その新世界」は、放送回数1,275回を数えたTBSラジオの長寿番組。CⅮ第5弾「笑う門には福来る篇」は、とくに永六輔の明るい笑い声が満載の回を中心に集めたという。

その内容は、長野県の高速道路での珍道中や、初めて胸のコルセットをした時の「イタ気持ちいい」体験など、プライベートの出来事を赤裸々に、笑いを交えながら語る様子であふれている。

ゲストとして登場しているのは、黒柳徹子きたやまおさむ黒柳徹子との対談は「戦後50年 特集もしもあの時」と題された回に出演し、戦地に行った父親が帰ってきた際のエピソードや、自らの戦争体験談を披露した回が収録されている。会話の中ではNHKの放送劇団に入った経緯や、家に初めてテレビが届いた日の戸惑いなどを明かし、永六輔の爆笑を誘っている。

第5弾CⅮのナビゲーターを務めるのは、1991年4月の番組開始から「調べる係」として出演したはぶ三太郎と、2000年5月から番組アシスタントとして出演した外山惠理TBSアナウンサーの2人。永六輔の思い出を語り合いながら放送内容を振り返る2人のトークは趣深い。

「知らない街かどを曲がると、それはもう旅」と常々口にしていた永六輔。各地を歩いてその先々の人々と話すことを終生のモットーとし、「土曜ワイド」の放送終了後スタジオからそのまま旅に出て、放送前日に東京に戻り、旅で見たこと聞いたこと考えたことを持ち帰り、マイクを通してリスナーに報告する日々だった。

CⅮ第1弾には、そんな永六輔が本番組スタートにあたり切々と語った、「強き誓い」とも言える心に刺さる挨拶が収録されていた。今回特別に許可を得て、その書き起こしを掲載する。