藤原啓治「人間ドラマとしての見応えも」

2018/04/07 07:00 配信

映画

アイアンマン/トニー・スターク役の藤原啓治

有村昆…映画評論家


マーベル映画は一つ一つひもといていくと、どれもアメリカが抱えている問題点をヒーローに置き換えているのが最大の特徴です。

例えば「アイアンマン」は “アメリカン・ドリーム”の象徴であり、世界の軍事大国としての“強きアメリカ”が描かれているなと思います。

ポイントとなるのは、パワードスーツの中の人間は、“もろい”ということ。それはアメリカという国を体言していて、武装国家の中は実はみんな“ナイーブ”だよねっていうメッセージにつながっているのです。

また、アメリカのリーダー故の苦悩をトニー・スタークそしてアイアンマンを通して描かれていることだと思っています。

「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」では、アメリカの(世界における)立ち位置が描かれています。

アイアンマンは「国連に入ってみんなのリーダーとして、一連の決議できまったことで行動起こす」と主張し、逆にキャプテン・アメリカは「手順を踏んでいたら、他の国に好き勝手やられてしまうから、決議を待たずして独断と偏見でやろう」という考え方なのです。

アメリカはまさに武装国家ですが、どっちに転ぶのかというのを比喩しているのが、まさにこの映画なのです。