――佐藤さんはそんな把瑠都さんと共演して刺激を受けたことはありますか?
佐藤:最初に思い浮かぶのは、いろいろなところに目を向けている方ということですね。
橋での撮影があったのですが、セッティングしているときに「ゴミが多過ぎる。悲しい」と言っていて。僕は恥ずかしながら言われるまで気付いてなかったんです、そこに。
いろんな話をしている中で、普段ご自身が率先してゴミ拾いの活動をされるとか、あらゆることに対して意識の高い方だな思いました。
興味を持たれたことに対してちゃんと調べて、知識を身につけるんですね。
今度調べようじゃなくて、行動に移される方だから、話していて楽しいんです。いろんなことに詳しいからそうなんだ!って。
人としての強さを持たれてる方だなと思います。
把瑠都:本当にね…親方が現場に来ると…。緊張が走るんですよ…。
佐藤:親方…?(笑) えっ俺!? 言ったことないじゃないでしょ、そんなの!!
親方って…やめてください(笑)!
――佐藤さんはどういう親方なんですか?
佐藤:いやいや違いますよ、親方じゃない!(笑)
把瑠都:いやぁ、でも佐藤さんは本当に周りに気を使っていて…。私が言っていいのか分からないけど、変なプライドを持っていないんですよ。
佐藤:…… (照れながら)持ってる、持ってる、持ってる。
把瑠都:いやいやいや! それを見せないんですよね。
佐藤:あ、ありがとうございます(笑)。
把瑠都:私も日本に来て14年たつのですが、相撲界から芸能界、役者さんまでいろんな人を見てきたけど、佐藤さんは有名になってもいい意味で変わらない人だな、と…。
佐藤:いやいやいや!
把瑠都:いくら偉くなっても、周りをちゃんと見なくちゃいけない。いい勉強になりました。
佐藤:なってない! なってないです!(笑)
――印象に残っているシーンはありますか?
把瑠都:すべてですねぇ…。
佐藤:格好いいね(笑)。
二人:(笑)。
把瑠都:私は、「ウイスキーにしませんか」ってところ。弥一が離婚した妻との関係性に悩んで、お酒を飲んでいるシーンがあるんですけど…。
佐藤:第1話ね。
把瑠都:はい。そこ、マイクもお酒好きなんだなって思ったんですよ。
佐藤:(笑)。
把瑠都:私もお酒好きなんですけど、マイクも好きなんだなって。
佐藤:僕もあのシーンは大好きです。
突然やってきたマイクとまだ距離がある中、ちょっとした勇気を出して誘った弥一に、マイクが付き合ってくれて二人でお酒を飲む。
そんなことがあったおかげで、二人の距離がぐっと縮まっているので、あのシーンは好きですね。
把瑠都:「ビール飲みませんか」って部屋に入ったときは、なんか弥一さんかわいいなと。
佐藤:さっきまでツンケンしてたのにね!(笑)
把瑠都:厳しい弥一さんがこんな急に優しくなって。
佐藤:マイクの「ウイスキーにしませんか」ってせりふがすごく好きで。こっちがちょっと悩んでいるところで「ウイスキーにしませんか、ちょっと酔いたいです」って。
自分が酔いたいって言葉を使って、弥一に寄り添ってくれているマイクの優しさが出ていて好きですね。
――お二人ともご家庭をお持ちですが、ドラマを通してご自身の家族の在り方を考えさせられましたか?
把瑠都:家族だけじゃなくて、友人のことも。
自分は兄弟がすごく多くて、めったに会えなかったり、メールのやりとりをあまりしなかったりする兄弟もいるけど、今回の作品を通して家族は仲良くしなきゃいけないなと思いました。
あとは「ゲイだから私は受け入れてもらえない」って勝手に思うより、一度はっきり話した方が本人も楽になるかなと。でも、まずはコミュニケーションが取れる環境作りも必要だなと思いました。
人はそれぞれ好き嫌いがあって、それはその人の生き方だから、私が何かを言える立場じゃないなと。
佐藤:僕はやっぱり自分の子供ですね。例えば同性を好きになった場合、カミングアウトってすごく勇気がいりますけど、それが言える環境でありたいなとすごく思います。
そういうことに限ったことではなく、家族と離れた場所でこんなことがあったとか、子供が話せるような家族に常にしていきたいなって。
思春期になったら親に言うのは照れくさいだろうし、難しいんでしょうけど、1人で抱えてほしくないな、いろんな話をしやすい家族を作っていきたいなと思いますね。
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