――屋台で二人がケンカをするシーンが一番印象深かったそうで。
印象的だったのは、やっぱりあのシーンですね。監督も唯一5、6テイク撮ったところですし。しかもあのシーンのセリフは、前日の夜中まで監督とプロデューサーが相談して変えていたそうです。でも、そこだけでなく、常に台本を変えながら撮影していたので、台本通りのセリフはほぼナシ。ケンカするシーンもだいたいのキーワードを覚えておいて、それ以外はその場で出たものでした。撮影自体がすごく楽しかったこともあって、二人の感情を爆発させることができた気がします。テイクごとに全部セリフが違いましたからね(笑)。
――監督は、その場で生まれるライブ感をもともと狙っていたのでしょうか?
自由にやらせてくれたということはそうかもしれませんね。だからこそ、やりがいを感じましたし、役者冥利(みょうり)に尽きるなと思いました。
――今作には、監督の実体験がかなり盛り込まれているということでしたが、そこについてのお話は?
リハーサルの時に役の背景についてたくさん聞きました。例えば、雄介は常にウジウジした人物で、それと同時にあっち行こうぜ、こっち行こうぜと無邪気に行動できる人でもある。でも、やっぱり悩むとウジウジして暗くなる子供っぽいというか、純粋な人物だと。だから、悩んでウジウジしているシーンでは「もっとウジウジ」と何度も言われました。三原さんの友人が雄介のモデルで、三原さんが光一だったかな? だから、「俺の友達はもっとウジウジしていた」とも言っていました。
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