2017年10月に公開された劇場版アニメ「DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団」は、ショートアニメ「秘密結社 鷹の爪」がバットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンをはじめとしたハリウッドスターとコラボレーションを果たし、鷹の爪ファンのみならず、映画ファンの間でも大きく話題を巻き起こした。
その「DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団」のBlu-ray&DVDが3月21日(水)に発売されることを記念して、自他ともに認める「秘密結社 鷹の爪」ファンの小堺一機と、FROGMAN監督に話を聞いた。
――監督は、小堺さんと過去にも会っているそうですね。
FROGMAN:実は小堺さんとはこれが初めてではなくて、テレビ局の廊下で何回かすれ違ったことがあるんですよ(笑)。そうしたら、Twitterで小堺さんが鷹の爪を好きらしいというのを読んで、「本当かな?」とずっと思ってたんですよね。
小堺:鷹の爪は、東宝の映画館で流れるのを見ていたんです。最初の頃から大好きでしたよ。2007年ぐらいかな。
――小堺さんは「DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団」にとても熱いコメントをされていますが、どういう部分が特に響いたんでしょうか?
小堺:やっぱりバジェットゲージ(映画の予算がどれくらい使われているのかが、常時画面右側にゲージで表示される「鷹の爪」映画のシステム)ですよね。映画の途中でここでスポンサーが!っていうのが分かっちゃうっていう(笑)。あと、絵のへたれ方が最高だよね。(ハリウッドに)怒られなかったの?
FROGMAN:怒られなかったです。多分、見せた時に「どう指摘してもしょうがない」って思ってくれたんじゃないかなと。どこを直せとかじゃなくて、そもそもキャラクターの原型がないし(笑)。とはいえ、ワーナーブラザーズさんはやはり映画会社なので、「この物語にはこの表現が必要なんだ」というのを理解してくれていたと思います。ハリウッドだから偉いとか、日本だから言う事を聞けとかではなく、本当に日本側にリスペクトを持って、作り手の意見を尊重してくれていました。あと、低予算で動きが少ないアニメ映画だということを、事前に説明していたのもあります。ただ、DCのキャラクターはスーパーヒーローだから、存在感をちゃんと示せるように作りました。
小堺:彼らが動き出すと、バジェットゲージが気になっちゃうんだよね(笑)。でも、ハリウッドとコラボレーションするのはすごいことですよね。しかも、それを大々的に言わないのがいい。すごいことをしてるはずなのに、やっていることはバカだっていうのが。
FROGMAN:未だに周りに信じてもらえてないんですよ笑。「映画じゃなくてショートムービーだと思ってた」とか言われたりして。でもそれも鷹の爪っぽくていいのかな?
小堺:(笑)僕はちょうど、山田孝之さん(※本作のバットマン役)とご一緒したばかりだったんですよね。
FROGMAN:山田くんも、本作をとても気に入ってくれたんです。それ以外にも、今回は本当に関わってくれた人が楽しんでくれて、作っていて楽しかったですね。3DCGをお願いした白組も、僕はあまりアクションが得意じゃないので、コンテで「白組さん、よろしくお願いします!」とだけ書いたんです。困るかなと思ったら、「しめた」「自由にできる」と思ってくれたらしくて。終わってからスタッフが「楽しかった」と言ってくれたのがすごく嬉しかったですね。
小堺:そういうのって、1つうまくいくと全部が上手くいくよね。幹が動けば枝も動くっていうか、細かい説明をする必要がなくなるんだよね。お互いに気持ちいいし。
FROGMAN:今のアニメは、監督や作画監督が細かく設定を決めないといけないんですよ。そうじゃないと末端のアニメーターが作業をできない。僕はそれがすごく嫌なんです。僕は自分が絵が上手くないところからスタートしたから、僕が指示を出すより彼らアニメーターが好きに描いた方がいいに決まってる。そういう意味で、今回すごく楽でした。みんな、僕が思っている以上に返してくれて、僕が100を言うと、みんなが200を返してくれましたね。
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