――ストーリーについてはいかがでしょうか。
FROGMAN:僕は「久しぶりにDCファンが見たいヒーロー像だった」と言われました。自分たちが正義のヒーローだと自覚して、正義を守るというヒーロー像で、ファンとして見たかった作品だと言われましたね。
小堺:最近のヒーロー、答えが出ないことで悩んでますもんね。
FROGMAN:そうなんですよ(笑)。ただ、彼らってその気になれば地球を真っ二つとかできるから、悩むのも仕方ないかなと思います。特に、こういうコメディの悪役なんてひとたまりもないから、本当に予算ぐらいしか弱みがなくて(笑)。バジェットゲージが復活すると、劇場で手を叩いてくれる人もいるらしいです。昔の映画館みたいですけど。
小堺:僕らのときは、映画館はそういう場所でしたよね。主人公がピンチの時に大声を出して「ほら、私が応援したから勝ったのよ!」とか言うおばちゃんがいたりして。
FROGMAN:そうですね。特に、僕は7人兄弟だったので、家のテレビも映画館気分でぎゃーぎゃー言いながら見てたんです。今はそういう風に、みんなで一緒に何かを見るのは映画館ぐらいですよね。
小堺:映画館で「ここで泣くんだ」「ここで笑うんだ」っていうのを知るのは、すごく勉強になるんですよ。今はそういう場所が映画館ぐらいしかないのに、そこでも声を出すなって言われちゃう。でも「DC鷹の爪」は笑い声があがってましたね。一般上映だけじゃなくて試写会でも。試写会で笑われるって相当ですよ。
――鷹の爪団の戦闘主任で怪人製造の担当主任「吉田くん」というキャラクターについてはどう思われますか?
小堺:吉田くんはコメディアンだと思うんだよね。ギャグを言ってるわけじゃなくて、「ただいま」みたいな普通のセリフで笑わせられる。総統も吉田くんに「こらー」って言ってるけど絶対怒ってないよね。「面白いこと言うなあ」って思ってると思う。
FROGMAN:でも、吉田くん含めて「鷹の爪」のキャラクターって、何も考えずに作ったんですよね。作った時のことを覚えていない。クリエイティブやってると、そういう霊感が宿る瞬間ってありますよね。
小堺:あるよね。長いこと考えたからっていいものでもないし。ネタでもすごく評判がいいやつは10分ぐらいで出来たものだったりするんだよね。
FROGMAN:それで言うと、今回は音楽とかもそうでしたね。KenKenがアニメーションより先に曲を作ってくれてたんですが、後から出来たアクションシーンに合わせてみたら尺がぴったりだった。ちょうどアクションの激しいシーンに、ベースが激しく動いていたりして。合わせたわけじゃないのに、気持ち悪いぐらいでした。
――では最後に、これから本作を見る方へ、メッセージをお願いします。
小堺:「鷹の爪」はどこから見ても大丈夫なんだよね。「あそこだけ見よう」「ラストだけ見て今日は寝よう」みたいに、「ここだけ注目して見てみる」って楽しみ方ができる作品になっている。もちろん最初はちゃんと頭から見てほしいし、結局全部お薦めなんだけどね(笑)。
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