テレビ朝日系で放送中の「ちい散歩」が、19日の放送で放送1000回を迎えた。また、同番組が、放送文化に大きく貢献した番組や人物に贈られる「第18回橋田賞」を受賞し、収録前の地井武男が囲み会見に出席した。
'06年に始まった同番組は、地井が街を散歩しながら地域の人々と触れあったり、意外な場所を訪ね歩く人気番組。これまでに地井が訪ねた街の数は555ヶ所にも及び、総歩数は約216万歩、距離にして1620km余りに達した。
放送が1000回を迎えると聞いた地井は「こんなに番組が長く続くとは思ってもいませんでした。スタート当初は試行錯誤で、どう番組を進めていったらよいか、プロデューサーから若いADさんまでスタッフと一緒に相談しながら作ってきました。散歩の究極の面白さは人との出会い。元気なうちはできるだけ歩いていきたいなと思っています」と今後も記録を更新していくことを明言。
さらに、同番組の魅力について、「いろいろな街を訪ねているためか『もう歩くところがないのでは?』と皆さんによく言われるのですが、散歩ってどこでもいいんですよね。2キロぐらいのコースがあれば、散歩はできます。長く入院している視聴者の方から『この番組を見て、早く健康になって、いろいろな街を歩いてみたくなった』というお手紙を頂いた時、僕らがやらせてもらっているのは、そういうことなんだと再認識しました。奇抜な凝った映像を撮るのではなく、なんでもない街の日常の風景をとらえる。それを心掛けてきたことが、1000回も続いた秘訣(ひけつ)ではないでしょうか」と分析し、番組の存在意義をあらためてめて感じたようだ。
また、散歩の達人である地井は「4年ほど前にこの番組の話を頂いた時、散歩だったらいつものウォーキングの中でやってることが生かせるなぁと思いまして。例えば、ぶらりと路地に入っていくこと、公園を見つけたらブランコに乗ること、途中で買い物すること、鳥を見ること…などを思い付いたんです。10年ぐらい歩いてきた下地があったので、この番組は『やれるな!』と思いました。個人的には“散歩”と“ウオーキング”を分けて考えています。僕にとっては“行ったとこ勝負”というか、計画的じゃなく、最初から目的地と決めずに歩くのが、散歩かな」と独自の楽しみ方を披露した。
最後に、第18回橋田賞受賞について、「皆さんの心に少しでも柔らかい風が吹けばよいというイメージで、ゆったり感、のんびり感を目指して歩いてみたいなと思って始めたのがこの番組。こんな素晴らしい賞を頂くことになるなんて思ってもみなかったですね。(橋田)賞は、番組全体でいただいたもの。スタッフ1人1人が“今日も面白いものを撮ろう” “いい画面を作るために頑張ろう”という意欲に燃えていたからこその受賞だと声を大にして言いたいです。自分の名前が付いている“冠番組”だからこそ、僕が1人で何かをやってはいけない。スタッフみんなの力で、みんなにとって楽しい現場を作ってあげることが、自分のポジションだと思っています。これからも、スタッフが頼り。スタッフと共に、彼らを“いじり”ながら歩いていきたいですね(笑)」と今後も着実に歩みを進めていく決意を語った。
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