映画監督・深田晃司も絶賛した名匠ハル・ハートリー監督のお宝映画

2018/04/05 13:08 配信

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(左から)映画ライター・村山章、ミュージシャン・嶺川貴子、映画監督・深田晃司がトークショーでハル・ハートリー愛を語った

数々の激レア映画を放送しているCS放送のザ・シネマが、4月から3カ月にわたりハル・ハートリー監督作を毎月1本ずつ放送する特集を組む。放送に先駆け、4月放送の「トラスト・ミー」の特別試写会とトークショーが東京・神楽座で行われた。

ハル・ハートリーは’90年代にNYインディーズ界をけん引し、米・タイム誌で「映画界の最もスマートな新たなるアウトロー」と称されたこともある映画監督。監督や脚本、製作、音楽のすべてを手掛けるほか、自ら配給会社を立ち上げ、妥協しない自由な作品を生み出してきた。

日本では’92年に第3作「シンプルメン」、翌年に2作目の「トラスト・ミー」が劇場公開されたのみだが、4月に大阪、5月に東京で「ヘンリー・フール 3部作」を含む日本未公開作品などを劇場上映する予定で、ファンの間で盛り上がりを見せている。

試写会前のトークショーでは、「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭の、ある視点部門審査員賞を受賞した映画監督・深田晃司と、ハル・ハートリー監督直々に“日本のアンバサダー”と指名された映画ライター・村山章が登壇。昨年行われたハートリー監督の「ヘンリー・フール 3部作」の日本語字幕付きDVD 化を実現させたクラウドファンディングについてや、デビュー作「アンビリーバブル・トゥルース」の裏話などを披露した。

ハートリー作品の魅力を紹介するにあたり、「最近のハリウッドは本当に家族が大好きだなぁと思うんですけど」と深田は冗談交じりに最近の映画を引き合いに出して批評しつつ、「ハートリーの描く、家族に対する距離感だったり、最終的にどこか宙ぶらりんな感じで終わるところがいいなと思います」と監督らしい視点から熱く語った。

一方、楽曲の提供やコンピレーションアルバム「A SIMPLE MAN」の参加などでハートリー作品に関わってきたミュージシャンの嶺川貴子は、楽曲提供に至るまでの過程を紹介した後、「今の年齢で『トラスト・ミー』を見直すと、また深いものがあります。若い人が見てどんな風に感じたのかを聞いてみたい」と同作への反響を期待するコメントを寄せた。

トークショーの後には嶺川がキーボードを携えてミニライブを実施。映画「ブック・オブ・ライフ」に提供した「1.666666」や、「トラスト・ミー」に登場する「Cue #16」、「Trust(End Credits)」など、ハートリー映画で使用されている楽曲のみによるスペシャルカバーライブで会場を魅了した。

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