――今回演じた那奈はどんな女性ですか?
元々、正義感がすごく強い子だとは思うんですけど、たぶん自虐的になりやすいと思います。本当は周りから見たら「そんなことはないよ」っていうことでも、正義感が強いからこそ「私なんか」って思ってしまう子なので、損している部分はたくさんあるなって思いました。
私も自虐的になりやすいタイプで「私なんか」って思いやすいタイプなんですけど、とことん自分をマイナスにまで追い込んだら、逆に這い上がろうと思えてくるです。
「私なんか、私なんか」「だったら、私なりにやってみよう!」みたいな感じで、開き直るタイプなので。そういった意味では、那奈ちゃんは開き直るタイミングが見つけられないまま、大人になってしまったんだろうなって。共感できる部分と共感できない部分が極端にあった役でした。
――演じる上で、山岸監督から言われたことは?
今回、銀行強盗の3人がすごくキャラの濃い方たちで、那奈はどちらかというと受け身のタイプなんですね。そこに対してのリアクションは、シーンごとに「どうしましょう?」って話し合ってやっていました。
あと、サスペンスではないんですけど、いろいろな“ドンデン返し”が待っているので、どうやってお客さんをだましていけるかっていうところも常に話し合いながらやっていました。
――確かにサスペンスのような、コミカルのような、さまざまなシーンがありました。
展開が大きく変わっていくので、お客さんを置き去りにせずに、一緒に進んでいけることを意識しながらやりました。
――今回、久保田悠来さん、酒井美紀さんは初共演になりますね。
お二人とも先輩なので、最初は「どういうふうに接したらいいだろう?」って思っていたんですけど、「はじめまして」と思えないほどすごく温かい人たちで、先輩という空気感も消してくださるくらい、本当に温かくて、お兄さん、お姉さんという感じでした。
美紀さんはいつも体のことを気遣ってくださって、「疲れてない?」「眠くない?」って声を掛けてくれますし、久保田さんは常に笑わせてくれました。お二人が現場を支えてくださいました。
撮影が終わって1年以上がたつんですけど、今でも一緒にご飯を食べに行ったりするので、すごくいい先輩に出会えたなって思います。
――佐生雪さんは「海すずめ」(2016年)でも共演されていましたが、今回は全く違う役でした。
すごく大変だったと思います。今回の作品では二役やっていたので、彼女なりに悩んでいることはいっぱいあったのは、一番近くにいたので感じていました。
すごく頑張っていたなって思いますし、全く違う二役をこなしてくれていて、後輩ですけど、私も見ていて勉強になることがあったので、楽しくやらせていただきました。
――そして、近藤さんは「イラッ」とさせるんですね?(笑)
濃厚な(笑)。近藤さんの撮影はクリスマスの日だったんですよ。二人でオフィスのシーンだったんですけど、「せつないね」って言っていて(笑)。でも、近藤さんがチキンやケーキなどを買ってきてくださって、それを一緒に食べました。近藤さんの優しさで、良いクリスマスの思い出を過ごさせていただきました!
【後編「武田梨奈『レッドカーペットに』ハリウッドへの思いを明かす」へ続く】
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