あの名作が再び…劇団モダンスイマーズ、句読点三部作連続上演!

2018/04/18 19:00 配信

芸能一般

奥貫薫、川上友里、太田緑ロランスらは再演にも出演「嗚呼いま、だから愛。」(写真は前回公演より、以下同)写真=金子裕美

劇団モダンスイマーズが過去作品をこの春から夏にかけて再演する。題して“句読点三部作連続上演”。「嗚呼いま、だから愛。」(2016)、「悲しみよ、消えないでくれ」(2015)、「死ンデ、イル。」(2014年)の三作品が東京芸術劇場シアターイーストにて上演される。

主宰の西條義将に今回の企画について語ってもらった。

「今回の三部作は(脚本の)蓬莱竜太には珍しく、その時々の時事ネタがそれぞれの作品の軸になっています。なので、再演は当初考えていなかったし厳しいと思っていました。こうして三部作を連続で上演することによってその時には気づかなかった事、できなかった事に改めて取り組むことができて、歳を重ねて考え方も変わりました。何より無茶な企画ですが、これをやりきる事によって劇団としての次の一歩が見いだせるのではないかと思っています」と感慨深い様子。東日本大震災、土砂災害、パリの同時多発テロ事件といった理不尽な死が作品のベースにある。とはいえ、物語は時事ネタそのものではなく、直接的、あるいは間接的にも影響を受けた人々の話になっている。

初演と同じキャストが多いなか、7月20日(金)から3番目に上演される「死ンデ、イル。」はオーディションを敢行。キャストを一新し、劇場も変わり演出も新作同様になるという。

「主演の女子高生役を決めるオーディションはとにかく難航しました。最終的に4人に絞られたのですがどの子にも魅力があり、違った主人公、作品になり得ました。本当に甲乙つけがたい感じでした。男性オーディションはまだこれからです」。

一方で、初演に続き6月7日(木)から始まる「悲しみよ、消えないでくれ」に今回も出演するでんでんは、稽古に向けて早くも準備中。

でんでんさんが初演の『嗚呼いま、だから愛。』をご覧になったあと、いたく感動されて打ち上げにも参加し、帰る時の挨拶でみんなに『今回のお芝居とっても良かったです。素晴らしかった。でも次の“悲しみよ~”では負けないくらいもっと良い芝居にします! 負けません!』と言って打ち上げ会場を去っていかれました。今回の稽古は5月から始まりますが、その前の今は良い芝居をするために体力作りをされているとか…」と微笑ましいエピソードも。

西條がどの作品に対しても愛情があることはわかっているが、好きな作品を敢えて聞いてみた。

「本当に難しい質問ですね」。

ではそれぞれの作品の魅力を!

「『嗚呼いま、だから愛。』は夫婦の話でハッキリ言って女性中心の話。ここに出てくる男性はみんな不甲斐ないですが、現在の男性も存外不甲斐なく女性の方がしっかりしていますからね。『悲しみよ、消えないでくれ』は親子愛に触れています。父親の葛藤、悲しみは男として一児の父としては堪らないものがあります。そして『死ンデ、イル。』は1人の女子高生を取り巻く人間環境を中心に人災や震災に触れています。他の二作品とは全く違った演劇手法で描かれていきます。全て演りごたえ見ごたえのある芝居です!」と自信を見せる。

今回の三部作上演によって、次のステップを見つけたいというモダンスイマーズ。トップバッターとなる「嗚呼いま、だから愛。」は4月19日(木)から上演開始だ。