草なぎ剛「どこまで自分を解放できるか」 【連載コラム】

2018/04/24 05:55 配信

芸能一般

人生の中で一番だった斉藤和義さんとのセッション


僕が個人的に良かったのは歌のコーナー。来てくれるゲストの方が、ゆずさんだったり、僕が大ファンの斉藤和義さんだったり、日本のトップの方たちじゃないですか。もう愛があふれてたよね。斉藤和義さんと2人で弾き語りをしたというのは、僕の中で一番のセッションだったかもしれない。今までで、人生の中で。ギターを始めて5年くらいだけど、今までやってきたのがあの日集約されてたっていうか。僕としては、斉藤和義さんは生きる神様だから。2人だけで2本のギターでっていうのが奇跡だよ。大きな奇跡。緊張してるんだけど、それを通り越して幸せの中にいた。この瞬間を目に焼き付けておこうと思って。一生忘れられない日になった。

それは大杉漣さんがつないでくれたんだなって。舞台「二都物語」(2013年)で一緒だったとき、漣さんの楽屋から聞こえてくるギターの音が、カッコいいなと思って僕もやり始めたわけで。特に「僕の見たビートルズはTVの中」という曲は、撮影現場とかで教えてもらってて、「『ぷっ』すま」のロケで一緒にセッションした、めちゃくちゃ思い出深い曲。漣さんも好きな曲でね。本当に幸せな時間だった。

ギターの音色が心を癒やしてくれた。それは漣さんが僕に持ってきてくれたんだなと思って。


漣さんが亡くなって、しばらく自分の中で整理ができないでいて。ツイートとかもちょっとできずにいたんだけど、漣さんとお付き合いのある斉藤和義さんがゲストに来てくれて、漣さんも好きだった曲を一緒にセッションできた。すべて重なったあのタイミングで漣さんのことを話せたのは僕自身も良かったなと思ってます。あのとき(香取)慎吾が「草なぎにギターがあって本当に良かった」と言ってくれたけど、助けてくれたかな、ギターがね。カッコいい言い方だけど。そのとき集中して曲もたくさん僕、作れたんですよ。打ち込めるものがあって、ギターの音色が心を癒やしてくれた。それは漣さんが僕に持ってきてくれたんだなと思って。

それと、番組のテーマソングでもある新曲「72かのナニかの何?」もできました。映画「クソ野郎と美しき世界」の中で慎吾が歌ってる「新しい詩」と作曲が同じ方だから、やっぱりメロディラインがハッピーな曲。簡単な振りなのにそろわないのが僕たちらしくてウケるよね。オリジナル曲が少しずつ増えて、「72」と「雨あがりのステップ」とこれと…。そしてウチの愛犬・クルミが竹内結子さんと出てるキヤノンのCMソング「KISS is my life.」(4月30日(月)デジタル配信リリース)。それも慎吾と2人、SingTuyo(しんつよ)名義でね。じつはいろいろたくらんでるのよ。

そんな感じで曲も増えて、サプライズがあって。いい目まぐるしさでしょ。次から次へと。まだまだやるから。うちら不滅の男なので。皆さんに支えられて、転がり続けるよ!

「雨上がりのステップ」の歌詞のごとく、“新しい道”を突き進む草なぎ剛撮影:諸永恒夫