4月21日(土)、東京・渋谷wwwにて、「新しい学校のリーダーズ」の初ワンマンライブが開催された。MIZYU、RIN、SUZUKA、KANONの4人からなる彼女たちは、模範的なヤツばかりが評価されるくだらない不寛容社会に一石を投じるダンスパフォーマンスユニット。3月に発売されたばかりの1stアルバム「マエナラワナイ」の楽曲を中心に行われたワンマンライブには、収録曲全ての楽曲プロデュースを手掛けた奇才のピアニストH ZETT M率いる『H ZETTRIO』も参加。歌、ダンス、楽曲、映像、演劇要素すべてを凝縮した1時間30分で、現在の「新しい学校のリーダーズ」の全てを出し切った。
「誰かが言った。毎日がツマラナイ。誰かが言った。早く大人になりたい。青春の意味も分からず、毎日を過ごしている若者よ。青春を忘れてしまった大人たちよ、思い出せ。俺たちははみ出して行く…」。そんな挑発的なSEが流れる中、4人がステージに登場し、「私たち『新しい学校のリーダーズ』は誰よりもアグレッシブに、誰よりもアヴァンギャルドに、初のワンマンライブを開催することを誓います」と、ムードメーカー・SUZUKAの宣言でスタート。「席替えガットゥーゾ」の前奏が流れると同時に、エネルギッシュなダンスと歌で客席を飲み込んでいく。そして、「SNS24時」「宮尾」、アルバムタイトルになっているにも関わらず収録されなかった「マエナラワナイ」を披露。自らの考えと強い意思を持つ4人は、自分たちの世界をこれでもかと見せつけていく。
笑いを誘う寸劇で楽曲を紹介するなどしているうちに、H ZETT M率いる「H ZETTRIO」がステージに登場。ドラマ「女囚セブン」のテーマ曲にもなった昭和歌謡テイストの「毒花」、H ZETT MのピアノとMIZYUのエモーショナルな歌声で聴かせる「透明ガール H ZETT M edit ver.」、4人自ら振り付けるダンスと旋律が見事にマッチした「恋の遮断機 feat.H ZETTRIO」と、現在の彼女たちの魅力が詰まった3曲で客席を煽る。こうして「新しい学校のリーダーズ」の真骨頂である前衛的なパフォーマンスでオーディエンスを圧倒すると、あっという間に本編ラストの「最終人類」。アルバムリード曲である本曲をSUZUKAが全力で歌い上げると、フロア全体から大きな歓声が湧き上がった。
お客を待たせずに速攻スタートしたアンコールは、WIZYで資金を募りMVを制作した「ピロティ」の映像からスタート。会場へ詰め掛けた資金提供者たちに感謝を伝えると共に同曲を歌い、ラストは4人が同年代の人々へのメッセージを込めた「学校行けやあ”」で幕を閉じた。
ライブを終えて、一つ結びにした強い眼差しが印象的なRINは、「想像以上にフロアに人が凝縮されていて、自分たちのためにこんなに多くの人が集まってくれたんだとうれしかったです。そして、今日まで自分たちの中に詰め込んできたモノを多くの方と共有できたこともうれしかったです」。続けて、SUZUKAは「新しい学校のリーダーズの現時点での最上級のモノを確実にぶつけることができたのではないかと思います。もしかしたら失敗した部分もあったかもしれないですけど、それも私たちの今の実力。全力のものをお見せすることができたのではないかと思います」とコメント。さらに二つ結びが目印のMIZYUが「超絶凝縮濃厚な…1時間半?でした」と言うと、「そんな長かったっけ?」(RIN)、「5分ぐらいに感じた(笑)」(MIZYU)と顔を見合わせた。
コンセプトの“はみ出していく”や、独特のダンス&ヘッドバッキングなどのパフォーマンスによる“奇行”などに注目が集まりがちな「新しい学校のリーダーズ」だが、それは彼女たちの一部に過ぎない。彼女たちは自らの意思で“模範的なヤツばかりが評価されるくだらない不寛容社会”に物申したいと思っているのだ。大人たちに踊らされているのではなく、むしろ大人たちを踊らせている「新しい学校のリーダーズ」。このワンマンライブを持って、彼女たちの新しい一歩は踏み出された。さあ、彼女たちの全力の訴えを我々はどう受け止めるべきなのか。老いも若きも関係なく、全力で受け止めてほしい。
今後の活動について、長い髪と強い眼差しが印象的なKANONは、「すでに決まっているライブやフェスもありますので、一つ一つのライブでもっとレベルアップして、より多くの方の心をつかんでいきたいと思います」。そして、これから彼女たちを知るであろう人々へのメッセージを聞くと、「私たちは”はみ出していく”ことをコンセプトにしているのですが、それは何でもアリということではありません」(MIZYU)、「ルールを守って、個性を大切にして、強く生きる!」(KANON)、「それが“はみ出し”です!」(RIN)。加えて、「最後に大人の方に伝えてもいいですか? 『学生の意見を尊重できる大人になってください!』」(SUZUKA)と、彼女たちらしい強いメッセージで締めた。
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