――ホテルといいますと、“ホスピタリティー”が大切というイメージがありますが、このドラマを描く上で一番大事にしていることはありますか?
このホテルって、駄目なホテルじゃないですか。なので実は、「どうしたらホスピタリティーあふれる場所になるか」というお話にしようとしているわけじゃないんです。
ホテルマンなどいろんな方に取材をさせていただいたときに、とにかくお客さんのことを一番に考えられているということに気づいて、すごい事だなと思いました。
ホテルマンのさらにすごいところは、仕事以外でもこういう考え方になっている方がいらっしゃる気がするんですよ。そこがもう癖になっていて、友人は今何を考えているのか、すごく細かい記念日まで覚えていたりしていました。例えば、結婚記念日だったり、あの人の娘さんの誕生日だったり、頭をよぎったら気にならざるを得ないというか、そんな考えをしている感じがしました。
また、今の世の中において、二つ難しいなと思うことを、実はこのドラマで描いていこうと思っているんです。
一つは、佐那に向けてなのですが、「まっすぐ生きる」ということが難しい。思ったことを思ったまま伝えていく、そんな佐那の成長を描いていく作品にしたいと思いました。
もう一つは宇海なんですが、仕事を楽しんで考えるとか、自分のこと以外のことを楽しんで考えるということです。これ、相当難しいんじゃないかなと思うんですよね。でも、あの人ってどんなこと考えているのかなって考えられたら、1億3000万回楽しむチャンスが生まれるじゃないですか。
その難しさや困難さを突破することができたときの痛快さを、このお話の中で物語っていきたいなという思いが込められたものにしていきたいなと思っております。
――視聴者にどんなことを伝えていきたいですか?
何でこの人たちが駄目人間になっちゃったかとか、真人間まではいかないですけど、どうやったら楽しんでいける人たちに変えていけるのかとか、一生懸命楽しんでいける物語にできればと思います。
また、ホスピタリティーがちらりと入っていないと、独りよがりになってしまうので、そういう意味で相手に対するホスピタリティーをもって、その“楽しい”という思いをこのホテルを舞台にして、伝えていきたいです。
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