草なぎ剛初主演ドラマ「いいひと。」が大きな自信につながった【テレビ東京プロデューサー / 稲田秀樹】

2018/05/02 06:00 配信

芸能一般

テレビ制作会社・共同テレビジョンのプロデューサーの一人として、草なぎ剛の連ドラ初主演作「いいひと。」(1997年フジテレビ系)や、稲垣吾郎主演の「金田一耕助シリーズ」(2004年ほかフジテレビ系)、劇場版も制作された「アンフェア」(2006年フジテレビ系)など、数多くのヒット作を手掛けた後、2016年にテレビ東京に電撃移籍を果たした稲田秀樹氏。4月からスタートした最新作「ヘッドハンター」(テレビ東京系ほか)は、この春、テレビ東京で新設されたドラマ枠「ドラマBiz」の記念すべき第1作であり、稲田Pが自身の転職体験をもとに企画した意欲作だ。「毎回、異なる作品を作って世間を驚かせたい」という稲田Pに、今作「ヘッドハンター」に懸ける思いや、TVプロデューサーとしての今後の展望などを聞いた。

テレビ東京がキラキラと輝いて見えていたので移籍を決めました


いなだ・ひでき=1964年2月16日生まれ、北海道札幌市出身


──まずは、今回の「ドラマBiz」というドラマ枠が新設されるに至ったいきさつを教えてください。

「ここ数年、テレビ東京では、『金曜8時のドラマ』などゴールデン帯の作品をはじめ、深夜や単発のスペシャルも含めて、ドラマが非常に高い評価をいただいていて。そこで、この流れに乗って、新しいドラマ枠を立ち上げて、さらなるトライをしようと。そこから、どんなテーマがいいだろうと話し合いを重ねていく中で、“経済”に強いテレビ東京のブランドを活かした、ビジネスパーソンに向けたドラマという方向性が出てきて、『ドラマBiz』というコンセプトが固まったんです」

――その「ドラマBiz」の1作目が「ヘッドハンター」に決まった経緯は?

「ビジネスというのは、その時代を映すジャンルだと思うんですが、その中でも『転職』というのは、日本の労働事情の変わりようを象徴する、“今”を切り取るには打ってつけの題材じゃないかと思ったんです。さらに言えば、僕自身、2年前に共同テレビからテレビ東京に移ってきたわけですが、その実体験も交えて描けるんじゃないかと。実際、こんな僕でも、長年勤めた会社を辞めるとなると、家族だったり仕事仲間だったり、いろんなところにかなりの波紋を呼んで、少なからずドラマがあったんですよね。そのときから、『これは何かネタになるんじゃないか』と思うところはありました。

いわゆる“ヘッドハンター”という仕事は、あまり表には出てきませんが、日本の転職事情は今、右肩上がり。また、一言で転職といっても、いろんなケースがある。調べていくうちに、いろんなことが分かってきて、これはドラマになるなと、次第に確信するようになりました。そして企画書を出したら、社内でも評価してもらえて。自分でもちょっと意外なほど、スムーズに企画が通った感じなんです」

──ちなみに、稲田さんのテレビ東京への移籍も、ヘッドハンティングだったんですか?

「僕の場合はヘッドハンターを介さず、直接お話をいただいたんですけれども(笑)。当時は既に、共同テレビで、ある程度責任のある立場にありましたし、葛藤がなかったと言えばウソになりますが、そのころの僕にはテレビ東京が、キラキラと輝いて見えていたので(笑)、移籍を決めました。やっぱり、“新しいものを作りたい”という気持ちの方が大きかった、ということなんでしょうね」

──そのときに感じていたテレビ東京のイメージはどんなものだったんでしょうか?

「“作りたい人が、作りたいものを作っている”という、自由な空気というか、クリエーターを大事にするような雰囲気を感じていたんですが、実際に入ってみると、まさにその通りの環境で(笑)。テレビ東京で最初にプロデュースを担当させてもらった『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』(2016年)も、最初、企画書を数本提出してたんですけど、上司たちから『それで結局、稲田さんはどれがやりたいんですか?』と聞かれて、僕が『これをやりたいです』って、『ヤッさん』の企画書を指差したら、『分かりました、やりたい企画をやってください』と。今まで企画のプレゼンをしていて、そんな言葉をかけられたことがなかったので、驚いたんですけど、うれしかったですね、やっぱり。

今回の『ヘッドハンター』にしても、新設枠の1発目で、原作なしのオリジナル作品というのは、なかなかの冒険だと思うんです。最近は、人気のあるマンガや小説を原作にして、保険をかけるのが普通ですから。でも、この思い切りの良さが、今のテレ東の勢いなんでしょうね。チャレンジする場を与えてもらえることは本当にありがたいと思っています」

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