コーエーテクモゲームスの人気歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」の初の舞台化作品として注目を集める「信長の野望・大志 春の陣 天下布武～金泥の首(こんでいのくび)編」が、5月17日(木)より東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて公演を開始する。
織田信長が一躍戦国時代の主役に躍り出た桶狭間の戦いから、対浅井・朝倉戦線、浅井家滅亡までを、織田家を中心とした「SIDE織田」、浅井家を中心とした「SIDE浅井」のダブルストーリーで描き出すという本作。織田信長には鶏冠井孝介、浅井長政には小西成弥、長政に嫁いだ信長の妹・お市の方にはモーニング娘。OGの田中れいながキャスティングされている。
「SIDE織田」と「SIDE浅井」の2パターンの舞台が回替わりで上演されるのだが、気になるのは史実である浅井滅亡までが、“「信長の野望」として”どうアレンジされるのかだ。公演に向けて稽古が進むなか鶏冠井と小西の2人にインタビューを敢行し、本舞台ならではのポイントや劇の見どころ、役への気持ちなどを聞いた。
――今回の「信長の野望・大志」、織田側と浅井側の2パターンが上演されるということですが、具体的にはどのような形で進む舞台なのでしょうか？
鶏冠井：ストーリー分岐やエピソード自体を変えていくマルチエンディングの舞台は多くありますが、今回の舞台はエンディングは1つなんです。結末に至るまでの途中の出来事を、織田陣営と浅井陣営の2つの視点から見るというもので、2つに枝分かれして、また1つに戻ってまた分かれて、というように1つの結末に向かっていくんです。
――分かれた時に、織田側の視点と浅井側の視点で劇が進むわけですか？
鶏冠井：というか、史実にある大きな出来事があった時、織田はこういうことをしていた、浅井はこういうことをしていたという、2人の行動を、2つのドラマとして見せていくんです。
小西：視点と言えば視点なんですけど、捉え方としては、1つの戦いに対して途中の劇の内容自体が異なる2つの舞台ですね。
――織田家と浅井・朝倉連合の戦いというのは実際の史実ですが、舞台の原作は「信長の野望」です。ゲーム原作ならではのポイントはどういうところにあるのでしょう？
鶏冠井：これは説明するのが難しいよね？
小西：「織田信長」の舞台ではなく、「信長の野望」の舞台なので、歴史そのままじゃないというところはもちろんあるんですよ。というか、それこそが今回の見どころなんですけど、あまり言うとネタバレになっちゃうな(笑)。
鶏冠井：どうしよう(笑)。
小西：「信長の野望」って戦国時代を舞台にしたゲームですけど、ゲームがどう進むかはプレイヤー次第じゃないですか。史実を知った上でゲームをやる人が多くて、そうすると歴史に逆らいたくなるじゃないですか。そういうプレイヤーの気持ちが舞台では…？ みたいなのがヒントです。
――その時の決断で歴史が変わる、というような？
鶏冠井：どうでしょうね(笑)。ゲームを舞台でやっているような？ いや、それも違うな。
小西：歴史を知っている人が見た時に、「ちょっと違うぞ？」となるのは確かだし、「信長の野望」をプレイしている人なら「なるほどね！」となるのも間違いないです。
――それはゲームファンにとってはどんなところが舞台化として現れるのか楽しみなところですね。
小西：ゲームファンの方にはもちろん見てもらいたいですが、ゲームを知らなくても他とは違う信長の舞台として普通に楽しめるものになっています。
――ちなみにゲームはプレイしてみましたか？
小西：やりましたよ、もちろん。
鶏冠井：めっちゃ難しくない？ 浅井でやった？
小西：もちろん。いやぁ、でも難しい。最初は歴史通りに進めていこうと思ってたんだけど、途中からそれどころではなくなってしまって(苦笑)。
鶏冠井：僕も信長で歴史通りに進めようとしてたんだけど、桶狭間で今川(義元)にコテンパンにされた。めっちゃ強いの、義元が。で、これはまずいと思って浅井にお市を送ったら、すぐ仲良くしてくれた(笑)。
小西：鉄砲や馬を揃えて、ちゃんと準備をしないとダメなんだよね。僕も六角に攻め込んだんだけど、全然歯が立たなかった。でも、すごく面白いです。
――劇伴はどうなっているんでしょう。ゲームの音楽が流れたりするんですか？
鶏冠井：僕らもまだ全部を聞いているわけではないんですが、稽古中、オープニングの曲とか、いくつかの楽曲が劇伴として流れていますね。他にもオリジナルの曲がいくつか。(田中)れいなちゃんが歌う曲も、音楽だけ聴かせてもらいました。
――ゲームを遊んでいる人は、「あの時の音楽だ」っていう盛り上がりもありますね。
小西：きっと気持ちが盛り上がると思います。
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