――織田信長も浅井長政も歴史上の有名な人物で、特に信長は見る側のイメージが出来上がっている人物でもあると思います。そういう人物に対して、どのようなアプローチで役作りをされていますか?
鶏冠井:僕が持っていた信長像は、戦国時代の恐怖の象徴。怖くて皆に恐れられているけれど、ものすごいカリスマ性も備えた人物というイメージでした。稽古前にはそれを演出の久保田(唱)さんに提示したんですが、「信長の野望」ではそうではない、と返されたんです。
信長を演じている僕自身の意思がストーリーに入り込むような感じもあって、久保田さんはパブリックイメージとおっしゃっていたんですが、「信長だから、長政だから」ではなくて、自分がここにいたらどう今の事態に対するのかというような、今の自分を出すようなイメージを持ちなさいと言われたんです。
僕はオーディションを受けての今回なんですが、後で「織田信長っぽいけど、織田信長じゃないっぽいところで選んだから」と教えてもらったんですよ。それもあって、感覚としては実在の信長になり切るというよりも、「信長の野望」としての信長をイチから作るような感じですね。
小西:僕も同じことを言われましたね。長政を長政のまま演じるものではないと。僕自身は歴史として、長政が信長に殺される運命にあることを当然知っています。その信長に負けることのコンプレックスを抱えての役作りが、今回の浅井長政のポイントになっています。ふとしたことで、長政の中に現代の僕が出てしまうような。これ、今回の仕掛けの大きなヒントですよ(笑)。色々想像してみてください。
――答えの形はまだ見えませんが、鶏冠井さんと小西さんのパーソナルな部分が鍵というのは分かりました。でも、それはそれで難しいですよね。
小西:すごく難しいです。正直僕もまだあまり掴めていないというか、長政に馴染めていないですから。これからの稽古でしっかり作り上げていかないと。
鶏冠井:当たり前のイメージを取っ払って、オリジナルの2人を作れたらいいなと思っています。
【舞台「信長の野望」はキャストもインパクト大!田中れいな、妄想キャブ・水城夢子、でんぱ組.inc・成瀬瑛美も出演!! に続く。同記事は5月4日(金)朝11時アップ予定】
取材・文:鈴木康道
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)