田中れいな、涙が溢れて芝居が好きになった“あの瞬間”。舞台もライブもどんどんやりたい!

2018/05/05 11:00 配信

アイドル インタビュー

芝居が好きになったきっかけから歌への気持ちまで、田中れいなが一気に語り尽くすインタビュー後編!


舞台「信長の野望・大志」(5月17日より、東京・CBGKシブゲキ!!にて)にお市役で出演する田中れいなへのインタビュー後編。

モーニング娘。に2003年に加入し、6期メンバーとして活動した田中は、2013年に同グループを卒業。現在はガールズユニットLoVendoЯのボーカリスト、ソロボーカリスト、そして女優として活動している。

卒業後の舞台作品はこの「信長の野望・大志」で5作目。いずれも主演、ヒロイン、もしくは準ヒロインという役に抜擢されている。そんな彼女にとって舞台、芝居とは何なのか。歌への気持ちも語ってもらった。

田中れいな、舞台「信長の野望」で戦国一の美女に。視線を奪う芝居を作りたい! より続く】

20歳の時、芝居が好きになったきっかけの作品


――「ふしぎ遊戯」(2016年)から途切れることなく舞台のオファーが来ていますが、演劇のどういうところに楽しさを感じていますか?

お芝居が楽しいなと思える時は、台詞も動きも完璧に入って、考えずに動けて、自然に役の気持ちになれた瞬間ですね。そういう時に、お芝居も好きだなって実感するんですよ。ミュージカルもなんですけど、それの後にライブをすると、自分の表現力が変わったなって思えるんですよね。歌の表現力だけでなくて、ダンスやステージ上での見せ方だったりも。今までだったら思いつかなかったことが舞台を終えた後だと思いついたりして、そういう時は、舞台をやって良かったなって思います。

あと、色んな方と出会えることですね。今まで味わったことがない刺激がもらえたり、そういう考えもあるのかと感心したり、新しい考えやチャンスをもらえる大切な場でもあると思ってます。

――モーニング娘。の時って、それほど舞台は好きじゃなかったですよね?

大っ嫌いでした(笑)。

――好きになったのは卒業後、「ふしぎ遊戯」からですか?

いえ、好きになったのは20歳の時に映画を経験してからですね。ハロプロの仕事じゃない、「ヴァンパイア・ストーリーズ」(2010年)という映画に1人で出たのがきっかけです。2つ物語があって、「BROTERS」編のヒロインが℃-uteの鈴木愛理ちゃんで、「CHASERS」編がれいなだったんですよ。初めて外部作品に1人で出て、モーニング娘。でいる時って1人でそういう仕事をする機会ってなかったんですよね。

で、その時に泣くシーンがあったんですけど、こんな性格だから「私、泣けないから目薬でもいいですか?」ってお願いしたんですけど、いざリハをやったらものすごく涙が溢れてきて。「本番泣けなくなるからとっておいて」って言われるくらい涙が出て、その時に初めて「お芝居って楽しい」って思ったんですよ。シーンに入る前は全然悲しくなんかなかったのに、入った瞬間、「この人のことを思ってれいなが泣いた…!」みたいな。

――先ほどの、自然に役になれた瞬間ですか?

そうですね。ハロプロ主催の舞台なんですけど、「ハイカラ探偵王」(2011年)や「ステーシーズ」(2012年)とか、自分の主演作がそこから続いて、その時にはもう舞台が嫌いというのはなかったですね。「ステーシーズ」も大好きな作品なんですけど、それ以上に楽しかったのが「ふしぎ遊戯」です。「ふしぎ遊戯」は私にとって初めての外部の舞台。卒業して何年か経って、「舞台やっていいよ」って言われて出れた舞台なんですよ。

「ステーシーズ」まではモーニング娘。やハロプロが大好きで見にきてくれるお客さんばかりで、言ってみれば私たちのファンがお客さんだったんですよね。だけん、ちょっと噛んでも、「れいな噛んだけど大丈夫かな?」って心配したり、それを笑って楽しんでくれるような。そういう甘えは大っ嫌いだからちゃんとやりましたけど、それでも今思うと、どこかで“いつものファンの人たち”という保険を心に勝手に持ってたんですよね。

――お客さんも味方、みたいな?

そうです。内部の仕事に慣れちゃってたんですよ。でも、「ふしぎ遊戯」では本業の役者さんの中に紛れるわけで、しかも主役だし。すごいプレッシャーだったんですけど、稽古をあっという間に感じるくらい毎日が充実していて、悩んだりするのすら楽しかったんですよね。終わってからの達成感も今までで一番だったし、千秋楽は「終わりたくない」って気持ちが込み上げてきて、裏でめっちゃ泣いてしまったし。それくらい頑張ってたんだなって、後でそんな自分に気付くという。漫画の時から大好きな作品でもあったので、今もすごく心に残ってます。

舞台は新しいファンを獲得できるチャンスでもあって、今まで“田中れいな”っていう名前は知ってるけど見たことないやっていう人もいたと思うし、「お、元モー娘。か」って、舞台をきっかけに興味を持ってくれる人もいると思うんです。次はライブに行こうかなって思ってもらえたら嬉しいし、そうでなくても、見て良かったと思ってもらえるだけでもすごく励みになります。