朝ドラ出演の中村倫也、“カメレオン俳優”の極意は「凧揚げ」に

2018/05/16 12:31 配信

ドラマ インタビュー

連続テレビ小説「半分、青い。」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)で、中村倫也演じる朝井正人が話題だ。

正人は律(佐藤健)の大学の同級生で、律にとって上京後にできた最初の友人。その甘い雰囲気で「磁石に砂鉄がくっ付くように」絶えず女性が寄ってくるものの、本人いわく「別れ際は、よく切れるナイフで、スパッと」。

そんな“ゆるふわ系”で女泣かせな正人を演じる中村は、3月まで放送されていた「ホリデイラブ」(テレビ朝日系)ではドSな“モラハラ”夫を怪演し、現在放送中の「崖っぷちホテル!」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)では、競艇狂いでやる気のないシェフを演じている。

あまりの“カメレオン”ぶりに、視聴者から「人物像を掴めない」という声も挙がる中村は、それを「本望」だと言う。

“朝ドラ”への出演は2005年度後期の「風のハルカ」以来、13年ぶり2度目。当時演出を担当していた勝田夏子氏が制作統括を務める本作で「成長した姿を見せたい」と話す中村に、正人役へのアプローチの仕方や、撮影中のエピソードを聞いた。

連続テレビ小説「半分、青い。」に出演する中村倫也にインタビュー(C)NHK


正人はかつてないほどの“難役”


──朝井正人をどんな人物だと捉えていますか?

正人はただよう雲みたいな人ですね。北川(悦吏子)さんの台本にもヒントがちりばめられていて、「切実さを感じさせないのが魅力」だとか、そういう正人の説明がふと書かれているんです。

つかみどころが無かったりマイペースだったりする正人の謎めいた部分は、(視聴者の)興味を引きつける要素になると思うので大事にしています。でも、やり過ぎてもいけないんですよね。

今までいろんな役をやってきましたが、正人はその塩梅が一番難しいです。手探りではありましたが、何とか掴めたかなと思っています。

甘い雰囲気で「磁石に砂鉄がくっ付くように」女性が寄ってくる正人(C)NHK


──空気感の他に、演じる上で意識されたことはありましたか?

正人は北海道出身なんですが、なまりがバレないように、一文節ずつ喋っているという設定なんです。せりふに句読点が多くて、「いっそ、なんとかで、なんとかだね」、みたいなテンポ感。実はゆっくりまったり話しているんですが、そうは見せないようにというのを意識しています。

それから、鈴愛(すずめ、永野芽郁)ちゃんとの関係性ですね。鈴愛ちゃんは子どものころからいろんな人を巻き込んで、自分も動かされてってしてきた人なんです。でも、正人はそれに巻き込まれすぎない。マイペースさが正人の魅力であり、鈴愛ちゃんが安心できるポイントなのかなと思っています。演じるのは毎回、緊張します(笑)。

──北川悦吏子さんとは、会われましたか?

去年の夏に、出演した舞台を観に来てくださって、ご飯に行きました。その時にはもう、第8週(5/21[月]〜)くらいまでの台本ができていたかと。

──正人役についてお話しされましたか?

役のことは、できるだけ聞かないようにしていました。けど、北川さんからは「もう正人だ」って言われて。イギリスを舞台にした作品でジミーっていう役だったんですけど、北川さんは「あのシーンのマアくんがさ、」って仰っていましたね。舞台も「正人」として観ていらっしゃったんでしょうね(笑)。

“朝ドラ”への出演は、13年ぶり2度目(C)NHK