――何度も組んでいるリリーさんだからこそ感じる、是枝組ならではの魅力は?
リリー:是枝さん、是枝組全体の雰囲気も穏やかで、怒っている人はいない。だけど、独特の緊張感もあるんです。
すごく高い水準のものを求められている緊張感というか。その雰囲気が心地いい。今回もあの廃屋みたいな家で、寒い中みんな半袖を着て。茉優ちゃん、希林さん、サクラさん、子役の桧吏くんやみゆちゃん、みんな生々しいんですよ。
演技がうまいを通り越して、生臭い(笑)。「すごいなこの人たち」って思いながら、ずっと見ていましたね。
――家と言えば、隙間風が吹き込みそうな雰囲気や、家具や風呂場などが放つ古めかしい空気が魅力的でした。
リリー:よくあれを探してきたなと思うんです。もともと、ビルの谷間に取り残された家で、字で書くのは簡単だけど、「簡単に見つかるかな?」と思ったら、「あります」と。
…俺、しょっちゅうあの家の隣のスナックのおばちゃんから電話がかかってくるよ。「映画のポスター、まだ届かないんだけど」って。
松岡:それを見て樹木さんが「(リリーは)本当に取り入るのがうまいわね…」と仰ってましたよ(笑)。
リリー:こないだスナックのおばちゃんに初めて聞いたんだけど、樹木さん待ち時間にあそこに行って、焼酎を呑んでたらしい(笑)。「お酒入れて」って(笑)。
――映画とは離れますが、姉妹誌「週刊ザテレビジョン」が4月に創刊1800号を迎えました。18という数字にかけまして、18歳の頃の思い出を教えてください。
松岡:私から行きますか? 数年前なので(笑)。
リリー:またまた…。あ、そっか。プロフィル上はね。(「違う!」と松岡にツッコまれながら)前から見ているので、もう30歳くらいだと思ってますから(笑)。
松岡:1995年生まれだって言ってるのに…。私の18歳は、高校を卒業して、連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年、NHK総合ほか)に出ていた年ですね。
リリー:あれが18歳なの!?
松岡:そうです! やっぱり「あまちゃん」を経て、朝ドラに出たということで、いろいろな所から声をかけていただけるようになりました。バラエティーにしても、ラジオにしても、お芝居にしても。
なので、「あまちゃん」のスタッフさんや見てくださった方々に、恩返しがしたいとずっと思っているんです。
リリー:僕は、東京に出てきた年ですね。大学一年生。童貞でした…。今のところは、書いておいてください。
松岡:私と一緒の取材記事になるんですよ? ピンだったらいいですけど…。
リリー:なんなら、リード文にしてもらっても(笑)。
松岡:絶対嫌だぁ! だってこれ、「万引き家族」の宣伝ですよ!(笑)
リリー:あ、そっか(笑)。
取材・文・撮影=岸豊
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)