「スペリング・ビー」って何? 元AKB河西智美も出演の舞台の楽しみ方を演出・菊地まさはるに聞く

2018/05/21 12:20 配信

芸能一般 インタビュー

「スペリング・ビー」演出担当・菊地まさはる


演出・菊地まさはるインタビュー


――この舞台との出会いについて教えてください。

2012年に別のプロジェクトで上演された「スペリング・ビー」に、副校長のダグラス・パンチ役で出演しました。

実は、(カウンセラーの)ミッチ・マホーニー役をやりたくてオーディションを受けたんです。

彼が歌う曲を歌いたい思いがあってね。その後新たに上演が決まった2016年に、演出をやらないか、とお話を頂いた。見知った作品で、面白い作品だったのでやってみようと。

――これまで何度も縁があるこの「スペリング・ビー」の魅力をどのように感じていますか?

登場人物の子どもたちは、それぞれにたくさんの問題を抱えています。友人関係、家族問題、イジメ、競争、ストレス、葛藤、生まれ持った性格や障害。

それでも「スペリング・ビー」の予選を勝ち抜いた。子どもたちの思いや、チャレンジしようという気持ち、負けるということを受け入れるという、いわば成長、そうした部分は、見る人の経験に通じるもので、共感を呼ぶテーマだと思います。

――その例を、いくつか教えてもらえますか。

例えば、リーフ・コニーベアという安全ヘルメットを持って出場している少年は、地方大会では3位になったけれど、繰り上がりで出場している。彼はとても記憶力がよいのだけれど、何かしら障害のようなものを抱えている。

彼のキャラクターには、敗者の痛みも勝者の痛みも包含されています。女性ではオリーブ・オストロフスキー。彼女の家庭は崩壊してしまっている。

「辞書が友達」で、「2番になんてならない」と言い続けていた女の子。けれど大会を通じて、彼女には人に対して"許す心”が芽生えていく。

それまで譲れなかったものへの考え方が変わっていきます。問題を抱えていた子どもたちはみんな、「スペリング・ビー」を通じて一歩を踏み出すという、成長する姿が描かれているんです。