その一方で、“若者のテレビ離れ”とは簡単に結論付けない。「家族みんなでテレビを囲む時代から、時間や場所を制約しないテレビの楽しみ方をテクノロジーが提案する時代に移行しました。
放送だけでなく、“放送と配信”で考える必要があります。コンテンツの良さを作り手が提案していかなければ」と課題は明確だという。
採用試験を受けに来る若者にはYouTuberも少なくないそうだ。「たしかにYouTuberは人気があります。彼らが作る動画はテンポ良く編集することで視聴者を引きつけていますよね。だけど、YouTuberがいざテレビに出てみると動画でのテンポを欠き、いつもの面白さがなくなってしまうという欠点もある」と指摘する。
YouTuberの存在を否定しているわけではない。だが、より大きな広がりがあるのは放送作家だ、と山谷さんは言う。
「やはり、今でもテレビはテレビの力がある。放送作家は、番組を作る上で会議に立ち会い、膨大な情報量を収集しているので引き出しが圧倒的に多いんです。その莫大な情報を応用力をもってコンテンツに変えていくクリエイティブ力は、広告代理店のプレゼンよりもテレビの放送作家が勝るんです」と胸を張る。
また、「感動させる番組を作ることはいろんなことに応用できます。人の心に引っかかる物事を生み出せば、ヒットにつながり、バズらせることができればニュースになる。テレビを作るノウハウは、他業種の海外展開や地方再生など市場拡大にも生かせる。放送作家としての頭脳があればアイディアの発明ができ、あらゆる分野で活躍できるんです」と放送作家には可能性の広がりがあるという。
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