――永川もそうですが、男の気骨を感じさせるキャラクターばかりですね。
最初に脚本を読んだときに思ったのは、それぞれ形は違いますが、どのキャラクターもみんな胸に炎を抱いているということでした。その炎を燃え上がらせようとしている男がたくさん出てきて、それぞれの正義感や使命感を貫くために命をかけて戦っている。とても骨太な映画になったと思います。
――この作品は「仁義なき戦い」(1973年)の系譜を継ぐ東映ヤクザ映画の復活と言われていますが、ご自身ではこの映画をどう捉えていますか?
いろんなメディアが発達して、新しいテクノロジーも増えている中で、こういう映画が久しぶりに世に出たことで、しっかりした石を水面に投げることができんじゃないかと思います。「仁義なき戦い」にハマった世代の方々には東映映画らしいと思われると思いますけど、もっと若い方ならカルチャーショックにも似た感想を抱かれるんじゃないかと。それぐらいの刺激物になっていると思います。
――過剰なほどコンプライアンスが叫ばれる今の時代、よくここまでの映画が作れたなとも思いました。
大人しくなってきている今の日本人に対するメッセージを込めた映画でもあると思います。まあ、こういう作品ばかりになっても違うと思いますが、映画界もこれを機会に面白い変化が起きたらいいなと。自分としても胸を張れる映画を作れたと思っているので、自由に楽しんでもらえればと思います。
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