未来の日常が見えてくる!?NHK技研が研究成果を公開

2018/05/23 22:06 配信

芸能一般

NHK放送技術研究所を一般公開

NHKは5月24日(木)~27日(日)に東京・砧のNHK放送技術研究所で「技研公開2018」を開催する。これは、NHK技研の研究成果を一般に公開するイベントで、年に1回開催。ことしのテーマは「よりリアルに、スマートに、あなたとつながる」で、24項目の研究成果と5項目の体験型展示が披露される。

ことしの12月から4K8Kの本放送が開始されるが、NHK技研所長の黒田徹氏は「大きな意味でのひとつの区切りの時期に来ている。次に向かってどういうことをテーマとして挙げられるのかが問われる時代になっている」と語る。そんな中、NHK技研では今年度を初年度とした「NHK技研3か年計画」を作成。この計画は、8Kスーパーハイビジョンや3Dなどを用い、体験型の空間を作り出す「リアリティーイメージング」、インターネットを使ったさまざまなサービスを展開する「コネクテッドメディア」、AIを活用して番組を効率的に制作していく「スマートプロダクション」の開発を3本の柱に据えている。そして、ことしの技研公開ではそれらを具体化した技術が展示される。

エントランスには未来のリビングをイメージした空間が登場。壁に掛けられた8Kテレビと、携帯端末やテーブルに埋め込まれた3次元ディスプレー、ARやVRが見られるスマートグラスが連動すれば、同じコンテンツながら視聴者側で好みの映像を選択できる。また、触覚グローブが実現すれば、映像に映った物体の質感や形状を家庭にいながら感じることができる。

ほか、白黒映像の自動カラー化技術を展示。いままでは静止画像の形で修正してきたが、この技術は動画に適用でき、色の修正も簡単にできる。1カットを速くて30秒、時間を要しても30分程度でカラー化できるようになったという。また、30万画素の3次元映像システムも展示。眼鏡を使わずに3D映像を見ることができ、従来の3倍の画素数まで解像度を向上させた。テレビで紹介された店舗などに近付くと自動でスマートフォンに情報が表示されるなど、テレビと生活を連携させる複数のサービスモデルの展示では民放各局もブースを設けている。

そして、講堂では、ことしも8Kスーパーハイビジョンのコンテンツを紹介。現在NHK技研では、高色域やハイダイナミックレンジを搭載していることに加え、1秒間に120枚の映像が流れるフルスペックスーパーハイビジョンの開発を進めている。これは従来の倍の枚数で、臨場感が求められるスポーツ中継などの映像作りで威力を発揮する。今回は、大型スクリーンにフルスペックハイビジョンで撮影したバレエと平昌オリンピックのフィギュアスケートの映像を上映。さらに、フルスペック方式以外に現在試験放送中のコンテンツから、サカナクションのライブのダイジェストなども投影される。

そのほか、ガイドツアーや、クイズスタンプラリー、ゼンマイロボットなどを作る「こどもワークショップ」を実施。家族で楽しめる企画が数多く用意されている。

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