――ハードな内容ではありますが、それだけで終わらない深みがありますよね。
富男の人間性や背景などが次第に見えてきて、本当にダークな世界だけではなく、それとは別の要素もあることに気付きました。富男をはじめ、彼にお金を借りにくる人たちなど、誰かに思いを寄せられるような人間味もあるドラマにもなりそうだと思い、そこは綾部真弥監督とも話し合いました。
ハードでダークな物語ではあるけれども、どこかで次への道を模索しているような人間っぽいところを念頭に置いていましたね。
――実際、そういう作品になりましたよね。
ただ、富男は絶対にブレてはいけないということが基本にあったので、冷徹ではあります。全体として富男が作品の中心にいなければならなかったけれど、それだけで通してしまうと、魅力的な男にならないんじゃないかなと思って。どこか苦しんでいるところもあり、人間っぽいところを少しでも見せたいという思いもあったので、そのバランスが難しかったですね。
――富男が切り盛りする居酒屋は深夜0時になると闇金になるという、闇のシンデレラみたいな設定も面白いですよね。
普通の居酒屋と勘違いして入って来る人もいるだろうなとは思いました(笑)。
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