――共演者の方々とはどのように現場で過ごされていたんですか?
気力や体力的には相当ハードでしたけど、楽しかったですよ。石橋凌さんはバンドマンとしても大先輩で、一つ一つの振る舞いから学ぶことは多かったですね。
僕が凌さんくらいの年になった時に、何が見えてるんだろう? とか考えましたし、お芝居でも、表情の一つ一つがすごい方です。
――ディスカッションをする中で、金子さん自身の意見が反映されているシーンはありますか?
せりふの変更に関しては、このノリで他の現場に行ったら怒られるかもしれないと感じるくらい、ガンガン言ってました。「うるさいな」と思われた時もあるかもしれないけど(笑)。キャラクターのことを考えると居ても立っても居られず、このせりふは「言わないんじゃないかな~」とか。
脚本段階ではイメージがつかないですからね。現場で起こっていることが最前線だったりするので、(台本に)書いていることを言ってくださいじゃなくて、“生きたせりふにしよう”って。
結構大事なせりふも、一人称が変わるだけで全然印象が違うんじゃないか、とか細かいところですけど、全員で演出の肉付けをさせてもらえました。
ものを作る喜びというか、僕が現場が好きな理由は、プロセスが好きなんですよね。もちろん結果が出て、褒めてもらえたらそれは最高の報酬だと思いますけど。
作品が残っていってもらうために親心を持って情熱を注ぐことが責任ですよね。
――最終回に向けて今後の見どころを教えてください。
それぞれのキャラクターの過去が原作以上に明らかになっていきます。
壮絶なものが多いので(演じていて)心をすり減らしながらも、俳優として充実した現場を与えて頂いたと感じています。
きっと僕のキャリアを振り返った時に、VTRをダイジェストで流したら出てくるだろうというくらいのいいシーンが撮れました。
(本作は)バイオレンス表現や暴力表現を見せたいわけじゃなく、それは人間の繊細な部分や愚かしい部分への投げかけでしかないので、違った角度からのメッセージを受け取ってほしいです。
「ノワール」というキーワードをもとに素晴らしい原作を表現することができたので、見ていただける視聴者の方はもちろん、原作の岩城先生にも気に入っていただけるといいなと思います。
血も流れますけど、流れていくものは心だったりして、そこは正直に表現できたかなと。変な言い方ですけど、とても優しい作品です。見終わった後に「なんか優しいな」と残ると思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)