田中れいな・続編にも出演決定!! でんぱ組・えいたそ、妄キャリ・水城が目頭熱くなる八重を演じた舞台「信長の野望・大志」千秋楽

2018/05/30 07:00 配信

アイドル インタビュー

田中が出ると場がパッと華やかになる。歌の表現に繋げたいというように、ライブはもちろん、今後、舞台の彼女には歌が付き物になってほしいところだ撮影:橋本千尋


田中れいな、市と自分って根本は似てるかも


――前のインタビューでは自分と違うお市の表現に苦戦中という話でしたが、本番では強く凛としたお市を見せてもらいました。

田中:稽古場で悩んでいたことって、舞台上に立つとけっこう変わってくるんですよ。舞台に立つと「こうしよう」とか、「この方が伝わるかな?」とか、そういうアイデアがどんどん思い浮かんできて、稽古の時以上の力が出てくるんです。取材していただいた時はまだちゃんと台詞を覚えられていなかったし、言葉の意味をよく分からず喋っているというのもあったんですけど、本番までには全部消化したし、今はどう言おうかなんて考えなくても自然に市としての受け応えができるようになっています。やっぱり舞台の力ってすごいなって思うし、こうしてお芝居をできるのはすごく楽しいなって、それをまた実感した舞台でした。

――毎回が新しい吸収の場ということですが、今回の舞台で得られたものは何でしたか?

田中:初めての時代物だったのでたくさんあるんですけど、一番はおしとやかな自分を手に入れたことです(笑)。大人な、とは言っても私ももう大人なんですけど(笑)、もっと大人らしい凛とした女性の表現を手に入れられたかなと思います。でも、市のことが分かってくるうちに、ちょいちょい「あれ? 案外自分と変わらんかも」って思えてきたんですよね。市は振る舞いはおしとやかだけど、芯は強いし、どしっと構えたところがある女性じゃないですか。私も「そういうところあるよね」って、周りから結構言われるんですよ。だから、市と自分がすごく違うかと言ったら実はそうじゃなくて、感じた時に発する言葉の種類が違うだけで、中身は結構同じかもって。根本的には自分とそこまで変わらないみたいって分かったのも発見でした。

――次回「-冬の陣-」にも続投ですが、その直前には主演ミュージカルの「ふしぎ遊戯」もありますね。

1つ終わってすぐに次の舞台なんて初めてなんですけど、「ふしぎ遊戯」も大好きな作品だからすごく楽しみです。でも本当に終わってすぐ次だから、私の稽古期間は2週間くらいしかないみたいなんですよ。それを聞いた時に、「うわ、悲しい…」って。

――大変、ではなくて? また台本2つあったら、2週間はかなり短いですよ。

田中:私の場合、ひと息いらないくらいの方が生きてる実感が得られるので、大変っていうのは全然ないです。それよりもせっかくみんなと仲良くなれたのに、「稽古2週間かあ…」って、そっちの方が大きいです。稽古って、仲良くなってからがすごく楽しいんですよ。終わった後にご飯に行って「イエーイ!!」みたいなノリも好きだったので、2週間はちょっと少なくて寂しいなって思います。初めましての現場だったらそれでも「ま、いっか」みたいに切り替えられるんですけど、こんなに仲良くなった後だと、ちょっと置いてきぼりだなあ、悲しいなあっていう。

――「ふしぎ遊戯」の夕樹美朱と、今回のお市では、キャラクターがまったく違いますね。

田中:真逆ですね。美朱はキャピキャピ頑張ってこないと(笑)。で、「ふしぎ遊戯」の美朱でキャピキャピしてきた後に、今度は市で「スン」としないといけないから、そこの切り替えをしっかりしないとですね。

――「-冬の陣-」の公演中に誕生日を迎えますね。

田中:そうなんですよ! 29歳になります。(隣の鶏冠井に)11月11日だからね、ちゃんと覚えておいてよ?

鶏冠井:おう! 後でサプライズ何がいいか相談するよ。

田中:何でだよ。本人に相談したらサプライズにならんやろが(笑)。

――(笑)。最後に今回の公演を振り返っての言葉をお願いします。

田中:この「信長の野望」に出演したことによって、またいつもとは違う“田中れいな”を見せられたと思いますし、有名ゲームの舞台化ということで、見に来てくださったゲームファンの方にも私のことを知っていただけたと思います。稽古の時はホント、どうしようかと思うくらい全然慣れなくて、最初は毎日頭を抱えてました。って、これ新しい舞台が始まるたびにいっつも言ってるんですけどね(笑)。「どうしよう、どうしよう」って。それに今回、みんなに打ち解けるのがいつもより遅かった気がして、だから、「ん~、この現場どうしよう(汗)」ってちょっと心配だった部分もあったんですけど、仲良くなってからはすごく楽しくて、みんなとてもいい人で…。ねえ、そこで笑わんといて。

鶏冠井:いや、面白く喋るなって。

田中:今、「お兄ちゃん」って呼んでるんですよ。信長のことを。

鶏冠井:「妹よ」って呼んでます(笑)。

田中:こんな風に! 安心できる仲間たちとまた続編ができることが今からすごく楽しみです(笑)。今回の「金泥の首編」に来られなかった方でも話は絶対に分かる舞台になりますので、ぜひ足を運んでみてください。私も一段と心が据わった市を演じて、皆さんにまた注目していただけるように頑張ります!

取材・文:鈴木康道