――新曲「慟哭へのモノローグ」についても伺いたいのですが、本作をリリースすることを聞いてどう思いましたか？
まだ“エヴァ”で新曲を出せるというのは光栄で、同時に不安、戸惑いもごちゃ混ぜでしたが、「魂のルフラン」でもご一緒した作詞の及川眠子さんと作・編曲の大森さんというコンビが仕上げてくださった楽曲がすごかった！ 神棚に納めて手を合わせたくなる曲なんて初めてでした（笑）。
――まさに“神曲”ですか。
「残酷な〜」もそうだと思うんですが、この曲も“エヴァ”の哲学的な魅力を存分に感じさせてくれます。母性愛がテーマになった、畳み掛けるようなサウンドなのに非常に切ない歌になっています。特に印象に残っている歌詞に「報われぬ子よ あなたを想って 心はちぎれる」というフレーズがあるんですが、我が子を「報われぬ」と言わねばならない母親の気持ちを思うと、もう、引き裂かれるような思いで歌いましたね。また、大森さんの曲はカラオケで聴いても格好いいところがすごい。サビの途中でコード進行が変わったりする難しい曲ですが、よかったらカラオケにもチャレンジしてください！
――やはり、“エヴァ”には特別な思い入れがありますか？
もちろん、わたし自身“エヴァ”の大ファンですから！
――放送当時の思い出などはありますか？
たくさんあるんですが、「残酷な〜」をレコーディングした時には、スタッフよりも早く庵野秀明監督がスタジオ入りしていたことを覚えています。最初はどなたなのか分からず、どう見てもサラリーマンじゃないし（笑）、スタッフの方に監督だと伺って驚きました。その時に、歌詞ができるまでのエピソードを監督から直に伺って。サビの「少年よ神話になれ」は本当は「凶器になれ」にしたかったけど、それではあまりに救いがないから神話になった、というようなお話をたくさん聞かせていただきました。
――“エヴァ”が人気を得て、高橋さんの歌手としての思いにも影響があったでしょうか？
“エヴァ”が社会現象になり、わたしを知らない人の耳にも歌が届くということは驚くべきことだと知りましたね。作品と共に自分の歌も広く聞かれるのであれば、やはり、何かしら皆さんの追い風になるような、背中を押したり寄り添ったりできる作品を作りたいという気持ちがより強くなりました。今でもその思いは変わらず、これは欲なのかもしれませんが、せっかくなら聴く方にとってプラスになる歌を歌えればとずっと思っています。
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